町家風コンビニなど続々
2008-05-15(Thu)

写真は「イングランド 写真の日々」から「菜の花畑」
by ukphotography
太陽の眩しい日に、こんな所で寝そべりたい by 曽野田欣也
町家風コンビニなど続々 京都新景観政策にあの手この手
2008年05月12日 朝日新聞
古都の風情を守ろうと、京都市が厳しい規制を伴う「新景観政策」を導入してから半年余り。町家風のコンビニエンスストアなど、政策に沿った建物や看板が街角に増え始めた。建設や改築の費用はこれまでよりかかるが、注目を集めやすいという効果もあるようだ。(溝呂木佐季)
京都府立大の宗田好史准教授(都市計画学)は「景観に配慮した建物が増えれば、良質な環境を求める人が集まって町が活性化される。規制に伴うコスト増には反発もあるだろうが、市には景観保全の大切さを丁寧に説明する努力を重ねてほしい」と話す。
京都府立大の宗田好史准教授(都市計画学)は「景観に配慮した建物が増えれば、良質な環境を求める人が集まって町が活性化される。規制に伴うコスト増には反発もあるだろうが、市には景観保全の大切さを丁寧に説明する努力を重ねてほしい」と話す。
景観政策には素人の私ですが、政策論として京都市の新景観政策には興味があり、京都新聞の記事などでその制定過程を追って来ました。
景観について思うのは、イギリスと日本の街並みの違いです。イギリスの家には木造建築が見当たりません。しかし、そうした建物の種類やその他公園等の都市景観を構成するもの個々の違いではなく、それらが作り出す全体としての「景観(街並み)」が根本的に違います。
これは、景観政策の違いであると、私は後のイギリス旅行で気づくことになります。つまり、訪れると我々が中世にタイムスリップしたような錯覚を覚えさせるイギリスの街並みは、建造物の種類などの違いから来る異国情緒なのではなく、イギリス人が政策としてそうした古い街並みを規制により「保存」してきた結果、言い換えれば、政策の成果の違いである、ということです。
景観法では、良好な景観は国民共通の資産として整備・保全が図られなければならず、その形成については地方公共団体、事業者及び住民による一体となった取組が展開されなければならない、とその基本理念を謳っています。
この理念に日英で違いはないと思いたいものです。アングロサクソン人は、J.S.ミルのような質的功利主義に基づき景観に対する理念を形成し、その理念に基づいた、文化が馥郁と香る景観政策を作ったのだと言えるでしょう。
宗田好史准教授の「景観に配慮した建物が増えれば、良質な環境を求める人が集まって町が活性化される」という主張の論拠にも関心があります。
私の義兄(カナダにいる日本人の義兄とは別人)は、イギリスで公務員をしています。彼が私に説明してくれた、景観保全のため、その規制が民家の窓枠のサイズや配置、そして材質にまで及ぶイギリスの景観政策については、他の機会に触れたいと思います。
(参考)
京都新聞「京都市 新景観政策」
国土交通省「景観ポータルサイト」
大阪産業大学 谷口研究室コラム「京都市「新景観政策」への批判-1~4」
2007年度第3回都市環境デザインセミナー「緊急討論・京都の新景観政策を考える」
南部あゆみ「イギリスにおける都市景観保護の法的考察」(PDF)
国会図書館「ヨーロッパの景観規制制度」(PDF)
monta 独言「美しい農村-イギリス・コッツウォルズぶらり旅」2008/04/09
中部開発センター「中部圏における景観のあり方(概要版)」
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