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2023/06
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年始の読書
蜆塚中学校
 今日は、私が卒業した蜆塚中学校へ行ってきました。そこでこの写真を撮って「蜆広会」のメンバーへあけおめ・メールをしました。

 また、年末年始の休日を利用して、本を読んでいます。藪中三十二国家の命運」(新潮社)、岸宣仁財務官僚の出世と人事」(文芸春秋)、そして細谷雄一倫理的な戦争」(慶応大学出版会)です。
 
 藪中前次官は、著書の第4章「外交交渉の要諦」の中で六つの点を挙げていますが、その筆頭に「敵を知り、己を知る」ことを挙げておられます。私のこの孫子の言葉をもじって、人事をやる上では「職を知り、人を知らば百戦危うからず」(2008/08/24)と言いました。「敵を知り、己を知る」のは勝つためではなく、負けないための基本です。

 岸宣仁氏の「財務官僚の出世と人事」の第6章「入省成績と出世の相関関係」では、「主計にあらずんば人にあらず」という財務省において、主計から異動した途端にやる気を失っていく職員が多いことに触れ、そうした方々の処遇に問題があることを指摘しています。地方自治体でも同じようなことが言われています。どこの組織にもエリートコースというものがあり、地方自治体では「人事」「財政」「企画」といった管理部門の部署がそれに当たります。終身雇用制の役所では、こうした人事のコースは、キャリア形成と密接な関係があり、それが職員のモチベーションを維持していく上で非常に重要な位置を占めています。中には「管理部門と現場」との関係を卑屈で屈折した見方をする人もいますが、人事という組織の大局をこのような軽率な一般化の下に捉えることは適当ではありません。
 また、キャリア形成が単線型の出世主義的なものだけでなく、複線型にしていくことも人事の課題です。財務省のように次官の椅子を求めてほとんどの職員ががんばるというシステムも人事管理をする上では楽でしょうが、地方自治体には、もっと多様なキャリア形成が求められています。

 終身雇用制の中では、組織内での職務経歴がキャリア形成に大きな意味を持つことは当然です。事務次官という一つの椅子に対しては、一定のコースのようなものができるのは仕方のないことです。しかし、椅子は一つである必要はありません。従来の単線型キャリア形成は、人事管理をする上で非常に楽ですが、人材の有効活用と高齢化していく組織の活性化のためにも、複線型人事制度の構築など人事屋にとって喫緊の課題を避けて通ることはできません。

 それから、細谷雄一先生の著書は、どれを取ってもおもしろく読めます。「倫理的な戦争」も例外ではありません。トニー・ブレアが自分の理念に基づく政策を国内と国際社会の中で合意形成して実現していく、というスケールの大きな話の検証をした本です。
 政治家には、この「理念」が求められると思います。公務員には、どのような理念が求められるのでしょうか。
8年目のため息 その2
 浜松市学生寮が廃寮してから久しいが、学生寮での日々を思い出すと胸が苦しく辛い思いになる。
 浜松市学生寮は、1962年に設立された。そして、今から約7年前の2004年(平成16年)3月13日に廃寮した。閉寮式では、私が卒寮生の一人として寮生やその父兄の前でスピーチをすることになっていた。スピーチの原稿まで用意しておいたが、年度末の職員課は忙しく卒寮式には行かれなかった。

 もう一つ胸が苦しく辛い思いになる思い出がある。私が28歳の時で、奇遇にも今の部署にいたときのことだった。学生寮の同級生で私の親友の奥さんが、この年に病死したのだ。彼のお父さんから連絡をもらったが、この時も仕事が原因で、東京にいる彼を訪ねることができなかった。それから何年か経ち、彼と再会したときには、この時のことを詫びたものだった。その時の彼との話は一生忘れることはないだろう。

 そう言えば、2001年7月27日に韓国で、2003年1月25日には日本で公開された韓国映画のDVDが家にあった。手に入れてから一度も観ることのなかったDVDだが、年末年始の休みに観てみたらはまってしまった。ハッピーエンドなのだが、学生寮を思うときと同じような胸の苦しさと辛さを抱かせる映画だった。DVD化されたのは2003年7月だったと思う。

 思えば、学生寮の廃寮の年は、私が今の部署に2度目の異動をした年度で、いろいろなことのあった年だった。当時の私の年賀状には、二人の娘が平成15年中に飼い始めた犬のポピーを抱いた写真が載っている。私の2011年の年賀状には、娘たちの写真は使っていない。娘たちはもう父親に写真を撮らせてくれない年頃なのだ。娘たちが、我が家から出て行くのも遠い将来ではないだろう。その時は、学生寮や親友との思い出以上に胸が苦しく、そして辛く感じるのだろうかなどと感傷に耽る年末である。
8年目のため息
 今年は、職員課で8年目。人事係長として3年目であった。
 人事担当としてはベテラン。
 係長としては駆け出しといったところか。

 65歳定年になった場合、私はあと20年近く働くことになる。
 しかし、組織的に見た場合、市職員の年齢構成カーブは異様な形をしている。
 自分がこのカーブのここの部分を占める一人なのかと考えると、自分の役割はどうあるべきか、ということについて、一職員として、また職責上も楽観的には展望できない大きな課題がある。

 係長になってからのこの3年。ブログの更新頻度も年々落ちて来た。これは、同じ課にいながら自分の役割が変わってきたことの表れであろう。
 ブログの記事にしたいことも、実務的なことよりも「観念論」的なものになりがちであり、そう気づく度に筆を止め、一考して筆を収めてしまうことが多々あった。
 その反面、ブログには書かないが、外で話をする機会が増えた。

 毎日、検討と内部調整の必要という塵が積もり、それが結構早い時間で山となってしまう。その中でいつか雪崩にならないかと優先順位を付けて一つひとつ、時にはまとめて対応していく。
 組織が目的達成のために機能していると、またその目標が高ければ高いほど、内外との調整が必要となる事項も増え、また調整をしないことによる摩擦が大きくなる。
 年々困難になって行くこの業務は、磐田市がより高い目標へ向かっている証ではないかと思う。

 思えば、職員課へ来た年に小学生になった娘が、今はもう中学2年である。
 職員課の4月は忙しい。娘の入学式に行かれなかったことを悔しく思ったのが、昨日のことのように思い出される。
 それも8年前とはずいぶん昔のこととも思えるが、実際、私にとっては一寸光陰のごとしで、その間に子どもたちは大きく成長していた。子どもの成長を見て、その長さに気づくようなものである。


 プライベートでは、悪いことばかりではない。
 夏にはイギリス、今月上旬には名古屋のクラブクアトロで行われたオリアンティのライブへ行き、また20~30年ぶりに中学や大学時代の友達と再会したり、楽しい思い出もあった。
 また、乗り物の苦手な私が、ETCを購入して高速道路を走れるようになったのは大きな進歩である。娘を連れて名古屋まで車で買い物に出かけた。
 こうして娘と買い物に出かけ、娘の欲しいものを買ってやるのが私のこうした8年間に対する反省であり、やりがいを感じられるpenanceでもある。
「地方行政の実態」
 10月29日(金)、とある集まりで話をするため東京プリンスホテルまで行って来た。
 この集まりは、毎月一回下旬に召集のかかる、ビジネスなど各方面の最前線でご活躍の方々が集う会である。参加者の皆さんから頂いた名刺には、「役員」「代表」とか「専務取締役」とか書いてあった。中には、創業寛永元年という京都の老舗からいらした方もいらっしゃった。

 私は、今回、以前から懇意にして頂いている元デサント社長の田尻邦夫氏に、「地方行政について話してみないか」と声を掛けて頂き、馳せ参じたわけである。田尻さんとお会いするのも2年ぶりであった。 
 
 今回は、「地方行政の実態」というタイトルで90分ほど話をさせて頂いた。地方自治体を経営体と見立て、「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という自治体の経営資源の現状について、特に「カネ」と「ヒト」を中心に話をさせて頂いた。先に「カネ」について時間を取りすぎたせいで、私の専門である「ヒト」については、かなり端折ってしまったのは反省点である。

 質疑応答の中では、「道州制とか地方分権とか言われているが、国の業務が地方に降りてきて受けられるか?」という質問があった。私の回答は「問題なく受けられる」という楽観的なものであった。もちろん、その業務に関し国から「ヒト」「モノ」「カネ」が地方へ委譲されたと仮定した場合の回答である。しかし、これにはオーディエンスの一人で、大学の法学部で先生をされている方から異議を唱えられてしまった。

 この法学部の先生は、地方自治体では、都道府県レベルでも法律に抵触するような条例が作られている、という実態を指摘された。これはそのとおりであり、痛かった。道州制などは、確かに私が生きている間には実現しそうもないような話であるが、そこまで行かなくても、地方分権が進む過程で不安材料の一つは、国と比べた場合の地方の立法能力の低さである。そういう認識があるからこそ、私も職場では私的な勉強会で法令の勉強をしている。一気に道州制が導入され、その中で行政権や財政権だけでなく、立法権まで地方に付与されたことまで考えなくても、今後の地方分権の流れの中でも、地方公務員には今以上の立法能力が求められるだろう。

 なお、国についても言えるが、行政の中で「政策立案者」と「法令の起案者」は別であったほうがよい、というのが私の持論である。以前も「法律施行のプロに」の中で指摘したが、日本もイギリスのように、法制担当者と政策立案者は別の役割として、行政内の別々の専門分野として確立するべきだと考えている。

 
蜆広会
 職員の福利厚生を担当している部署にいる関係で、金融商品などの取り扱いで業者さんが職場にいらっしゃることがあります。昨年、私の留守に職場に名刺を残して行った銀行マンがいました。それは、私の中学のときの同級生のK君でした。中学を卒業以来、彼とは会っていません。また、彼も私も中学は浜松市で、磐田市には縁がありませんでした。非常に奇遇な話です。彼は浜松から磐田市の支店に転勤になり、取引先の一つにわが社がありました。私もたまたま今の部署に配属されていた、というだけのことです。

 K君は、なぜかいつも私の留守に来るので、実はK君ともまだ30年ぶりの再会を果たしていません。ですが、今年の8月28日には、中学の同窓会「蜆広会」が企画されているそうです。非常に嬉しい知らせでした。同窓会のウェブサイトを見ると、同窓会幹事をしてくれている同級生たちの写真が載っていました。名前は覚えているものの、誰一人として識別ができません。私の中学時代の体重は50kg代だったでしょうが、今は80kgを超えています。大学時代に61kgだった頃を知る人でさえ、今の私のことは分かりません。

 思えば10年くらい前、私が35歳の年の10月24日には、名古屋の鳴子台中学校の同窓会がありました。その時もみんな風貌が変わっていました。ですが、話してみると昔のままだったのが嬉しかったです。今年もまた嬉しい再会を楽しみにしています。
プロフィール

きんた

Author:きんた
Yahooブログ「ある地方公務員の隠れ家」(since 2007/2/24)から移転しました。

【自己紹介】
・1964年 静岡県浜松市生まれ

【趣旨】
まちづくりと公共政策について考えます。
本ブログは私的なものであり、私の所属する組織の見解を反映するものではありません。

【論文等】
政策空間 2007年10月
複線型人事は新たなモチベーション創出への挑戦
政策空間 2009年2月
資源ベース理論による自治体人事戦略の構築

【連絡先】
下のメールフォームからお願いします。

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