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職務経験の蓄積のため
Escomb Church 2001
My second visit - Escomb Church in Co. Durham
7世紀、サクソン人によって建てられた今でも現役の教会です。




 人事異動の根拠となる2番目は、これです。
職務経験の蓄積のため

 人事異動は、個々の職務の知識や技能の修得のために行われます。この知識等の習得のための異動も職員の勤続年数により、その意図が異なります。一般的に新卒の新規採用職員の採用後の10年間を「教育異動期間」と呼び、部局をまたぐ異動が計画されます。

 このいわゆる教育異動期間におけるジョブ・ローテーションは、県のように大規模な組織では徹底的に行われ、一般的には当該期間中に部局を異にする3部署を経験するのが好ましいとされています。また、この広範囲な職務間の頻繁な異動はゼネラリストの幹部養成手法としても広く知られているところです。

 教育異動期間後は、当該職員の適性等を判断した結果としての異動となり、教育異動期間における異動よりも一般的には在課期間は長めになると言われています。この期間は、係長などの中間管理職になるまで続きます。

 係長などのポストに就くと異動サイクルは、再び短期化するのが好ましいと言われていますが、ポストに就くと数の制約もありセオリーどおりにはいきません。

 しかし、課長などの管理職に昇進すると、異動サイクルは1~2年と極端に短くなります。これは、管理職が実務から極めて距離ができることの裏返しとして、当該職務の権限を握ることから、異動をさせ易くなる面と短期で異動をさせなければならないニーズが合致することによります。

 こうしたジョブ・ローテーションによるゼネラリスト育成は、一般的な支持を得ていますが、その弊害も指摘されています。

 その一つとして挙げられるのは、職員が各部署において職務の表面的なことしか捉えないようになり、配置先で修得すべき職務知識や期待されるような職務経験の蓄積に至らない、ということが挙げられます。こういう職員は、頻繁な異動により、自分が幹部候補生であることの自覚を持ちますが、そういう意識が返って職員を夜郎自大にしてしまったと言えるでしょう。そういう素材は、そもそも幹部としての資質に欠けます。

 また、これと対となる弊害は、幹部候補でない職員で、異動サイクルが相対的に長い職員のモチベーションが著しく低下するということが挙げられます。

 このような弊害を避けるためには、教育異動期間における「10年3部署」といった異動ルールを徹底して守ることでしょう。そして、その異動部署も一部の部門に偏ることなく、多様な部門を経験させることとし、その部門の組み合わせも多様とすることです。

 若手職員は、学生時代の部活の経験等により「集団で仕事」をすることは知っています。しかし、それとはまた異なる「組織で仕事」をするということを理解するために、教育異動期間中に総務、人事、財政、企画といった管理部門を経験すべきであると考えます。 

(参考文献)
浜野美雄「配置・昇進」(帝国地方行政学会)
掛川市例規集「掛川市職員の配属及び異動の基準に関する規程
静岡県「静岡県キャリアデベロップメントプログラム
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プロフィール

きんた

Author:きんた
Yahooブログ「ある地方公務員の隠れ家」(since 2007/2/24)から移転しました。

【自己紹介】
・1964年 静岡県浜松市生まれ

【趣旨】
まちづくりと公共政策について考えます。
本ブログは私的なものであり、私の所属する組織の見解を反映するものではありません。

【論文等】
政策空間 2007年10月
複線型人事は新たなモチベーション創出への挑戦
政策空間 2009年2月
資源ベース理論による自治体人事戦略の構築

【連絡先】
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