2008-09-02(Tue)

写真は「イングランド 写真の日々」から「麦畑」
by ukphotography
もうすぐ義理の母が、このイングランドから遊びに来ます by 曽野田欣也
人事異動の次の要因は、これです。
業務繁閑の是正のため
組織で目的を達成することの合理性の裏返しとして、セクショナリズムの弊害があります。また、年度単位で仕事が行われるため、異動サイクルは一年度を単位として考えます。年度内における異動は難しいものです。
さて、人事課が行う部課長とのヒアリングの目的の一つは、配置職員数の適正化です。各所属は、現有の定員又は要望する増員の必要性を主張するために、当該所属の事務事業について人事当局に説明します。ヒアリングの結果を受けて人事課で定員の査定を行います。
定員査定を行う場合、パーキンソンの法則を肝に銘じておかなければいけません。管理者は、しばしば部下の数が減ることを嫌います。
また、年度を通じて同数の定員が必要である部署ばかりではありません。その場合は、年度内のどの時点の事務量を標準とするかを検討しなければいけません。季節的な繁忙であるときには、当該期間だけ非常勤職員を任用して対処することもありますが、基本的にはプロパー職員による事務処理を要するものを基準として業務量を計測します。
庁内分権の名の下に、人事権の一部を部局長に移譲し、当該部局内の所属間に限った年度内の人事異動を行う場合もあります。この方策は、愛知県のように部局別の定員枠配分を行っている自治体においてみられます。
本エントリーは、人事異動の要因についてではなく、定員査定の話のようになってしまいました。この要因により異動を考えるほど、今の自治体には定員上のゆとりがない、というのが実態であろうと思います。
なお、私が定員査定の勉強を進めるに当たって、同志社大学様には、「同志社政策科学研究 第3巻 安枝英教授追悼論文集」をご恵与頂きました。本論文集には、自治体人事を考えるに当たって有用な研究が多く掲載されています。
ここに紹介するとともに、この場を借りてお礼申し上げます。
(参考)
橋本賢二「地方公務員の定数管理に関する考察」(同志社政策科学研究 第3巻)
「都市自治体の戦略的な組織定数マネジメント」(都市センター)
「名古屋市役所局長経験者が語る局長の思いとマネジメントの諸相」(PDF)
愛知県名古屋市「複数年度定員配分の導入」(PDF)
関本耕司「定員管理上の定数査定業務等に関する一考察」(PDF)
鳥取県「平成19年度に向けた定数編成査定状況について」 鳥取県では定数の査定過程を公表しています。
福岡県「新たな定数管理方式の導入について 資料3」(PDF)
スポンサーサイト