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人事異動は本当に恣意的か
 総務省の地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会の委員をされている西村美香教授は、ご自身の論文の中で、職務分析について、次のように述べられています。
 職務とポストを一体的に捉える「官職」概念から距離を置いて従来よりも詳細な職務分析を行い、職務遂行に必要な資格や能力を特定し、その分類を体系的にまとめた新しい人事管理の基盤を確立しなければならない

「都市問題」第95巻 第12号(2004年12月号)
「地方公務員制度のおける任用の多様化・弾力化の限界」から引用

 これは、『「職」と「人」の理解』について考えたときに、私も不満を覚えたところです。というのも、これまでの役所では十分な職務分析がされておらず、その結果、人事評価は人物評価となり、職に必要とされる職務遂行能力や個人の適性などが科学的に検証されていないからです。

 改正地方公務員法では、職階制を放棄し、人事評価を新たに規定しています。立法上はそれで良いでしょう。しかし、職務分析とその職務を遂行する上で必要とされる能力などが明確にならずして、果たして適正な人事評価が行えるのか、というのが私の疑問です。職員が能動的に自らのキャリア形成について考えようとしても、ゼネラリストを中心とした公務員は、能力開発の目標が立てられないのではないでしょうか。
 
 以前、私は「昇格選考のフィルター 3」で次のように述べました。
 人事課へ配属された職員は、最初は「職」の理解から始め、最終的には自分なりのこうした仮説を持つようになります

 この仮説を立てるのも、また、それを検証するにしても、人事担当者個人の職務経験等だけによるとすれば、客観性や妥当性という点で、現代的な価値を付与する必要はあるのではないでしょうか。仮説について人的資源管理の研究を参考にする担当者もいれば、歴代人事課長相伝としている組織もあるかもしれません。しかし、人事はそのような属人的なものでも職人芸でもなく、ただ単に合理的なものであるべきです。

 人事が恣意的だ、と回りから捉えられる要因は、科学的な「職」の理解、つまり職務分析が行われておらず、こうした人事担当者の力量に任されている日本型人事に内在するものなのではないでしょうか。もちろん、職務分析が科学的にされて「職」の理解が進んだとしても、「人」の理解が個人的に行われるのでは問題は解決しません。「人」の理解のためには、人事考課制度を活用することが考えられます。人事考課がこの役割を果たすためには、今とは異なる内容の考課者研修が必要となります。
 また、研修ではありませんが、所属長には部下の能力や適性等の評価を人事考課票に記入させるだけではなく、人事課長との面接により、資料を用い口頭で説明させるのも一法です。その際、説明する相手は人事課長ではなく、外部に委託した人事コンサルタントでも構いません。各所属長は、この面接を通じて自分自身の説明能力のほか管理者としての各種能力を測定されることになります。

 話は逸れますが、職務分析の結果として、終身雇用を前提とし長期雇用の中で能力を開発、向上させていく必要のある職ばかりではないのではないか、ということが言えます。これを認めれば、常勤の職が普通であると捉える必要はなくなります。そうした職には、常勤の職とは異なる給与・人事制度により運用したほうが合理的です。任期付短時間勤務職員制度を導入するまでもなく、職の科学的分析を行い、任用の多様性を認めて地方公務員法の整備をすれば、現在の非常勤職員制度にある給与面や雇用面での課題も解決されるのではないでしょうか。
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今後の運営と15年前の私
 自主勉強会「磐田ゼミ」では、これまで講師を招いての2回の勉強会のほか、一部の参加者が集まって今後の運営について協議の場を2回設けている。私は、仕事の都合でどちらの協議にも出席できなかったが、30歳前後の職員5~10人が中心となって進めている。とても頼もしいことだと思う。そして、今後が非常に楽しみである。

 さて、話は変わるが、実は、15年ほど前、私は市役所を辞めようと真剣に考えたことがある。市役所に入って5年目の年、私は公務に幻滅し、仕事にやりがいや面白さを感じられずにいたことがあった。その時、相談をしたのは浜松市学生寮の先輩で、当時、浜松市役所の職員であった内田幸博さんなどであった。内田さんは、毎日のように仕事の後、深夜過ぎまで相談に乗ってくれた。そして、週末にもしばしばご自宅にお邪魔したものだった。内田さんのほかにも、浜松市学生寮の寮長をされたI氏や先輩のYさんがいる。たくさんのかたにご迷惑をかけた。

 私が仕事に対するやりがいを取り戻し、転職を考え直すキッカケとなったのは、退職の相談をする中で、内田さんからまちづくりや公共政策に対する思いを聞かされたことであった。仕事にやりがいを持って誠実に取り組む人の姿は美しい。そして、仕事について目を輝かせながら語る人の顔は眩しい。内田さんのように行政に情熱を傾けられる素晴らしい人たちとの出会いが、それ以来今まで、ずっと私のモチベーションを支えている。

 ある日、磐田ゼミのメンバーの一人が、仕事で浜松市役所へ出張し、内田さんと偶然お話をする機会があったそうだ。内田さんは、そのとき、磐田市役所から来たという彼を捕まえ、私のこの15年前の冴えない逸話をばらしてしまったのだ! 出張から帰庁した彼は、ニヤニヤして「曽野田さんにも、そんなときがあったんですねぇ!」と私に言ってきた。遥か昔、自分が若かりし頃のことが、意外なところからカミング・アウトして大笑いである。人との出会いは奇遇なものである。

 私が15年前に、人との関わりを通じて仕事のやりがいを取り戻すことができたように、私も若手職員に仕事について何かを語れる人間になりたいと思っている。また、磐田ゼミという若手職員の自主的な取り組みが彼らにとって何らかのモチベーションやキャリア形成を考える機会になればと願う。

 内田幸博さんは、その後、浜松市役所を退職され、いまは浜松市議会の議長を務められている。
 私が15年前に転職を考えていたときの配属は、職員課人事係であった。そして、いま私は同じ部署に戻り、人事係長をしている。

 15年前にご迷惑をおかけした内田さん、I氏そしてY先輩には、この場を借りて心から感謝申し上げます。今でもなおご迷惑をおかけすることがあるのは本当に心苦しいのですが、同じ釜の飯を喰った学生寮の腐れ縁だと思って、それはそれで許してください。

(PS)
内田さん、あの時のことは、これ以上ばらさないでください。
プロフィール

きんた

Author:きんた
Yahooブログ「ある地方公務員の隠れ家」(since 2007/2/24)から移転しました。

【自己紹介】
・1964年 静岡県浜松市生まれ

【趣旨】
まちづくりと公共政策について考えます。
本ブログは私的なものであり、私の所属する組織の見解を反映するものではありません。

【論文等】
政策空間 2007年10月
複線型人事は新たなモチベーション創出への挑戦
政策空間 2009年2月
資源ベース理論による自治体人事戦略の構築

【連絡先】
下のメールフォームからお願いします。

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