fc2ブログ

*All archives* |  *Admin*

2008/12
≪11  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31   01≫
「手当増めぐり紛糾」広島県議会
 以前、広島市議会において時短条例が否決されたことに関する記事「広島市職員の時短条例案否決」を書きましたが、その記事に関して、岡本全勝氏にそそのかされてブログを実名にした重徳和彦氏に紹介して頂いた広島県職員のM氏から情報提供という形でフォローを頂きましたので紹介します。

平成20年12月17日 中国新聞
「手当増めぐり紛糾」県議会「県民理解得られぬ」
 県議会定例会は16日、県人事委員会の勧告に基づいて県警、県教委を含む職員の地域手当を引き上げるための補正予算案や条例改正案などへの賛否をめぐって空転し、本会議の開催が一時間半ずれこんだ。最終的に可決したものの、景気や雇用情勢の悪化が深刻さを増す中で「県民の理解は得られない」との批判が相次いだ。

(中略)

 県は来年2月の定例会に、勧告に沿って勤務時間を15分縮める条例改正案を提案する方針。実質的に3%程度の労働単価の引き上げとなるだけに、一部会派は早くも「県民感情とはかけ離れている」と反発を強めている。(加納優)

 記事によると、本会議の開催が1時間半遅れることとなった理由は、本会議に先立つ議会運営委員会の理事会で、約5億9000万円に上る地域手当の増額などに反対する自民党議員下位(15人)や自民党広誠会(5人)が本会議での反対討論を要求。「知事与党」を形成する自民刷新会議(16人)や民主県政会(15人)などとの間で調整が難航したからだそうです。

 時短に関する議論で思うところがあります。
 今から何年も前のことになりますが、労基法で週40時間制が規定された際には、行政が民間を先導する形で同制度が導入されました。今では、民間が行政の勤務時間に比し、15分短いものになっているようです。

 時短条例が否決された広島市では、市長が同条例を再提案する意向であることが既に公になっています。
 給与にせよ、勤務時間にせよ、どの時点で、どのような基準に基づき得られた民間企業の勤務条件と同期させるかは現行の人事院勧告制度が基本となっており、これを勘案しない理論的な反論は非常に困難であるというのが私の見解です。
 折りしも、政府では公務員の労働基本権について議論されています。今のところ、私にはここまで踏み込んで議論する勇気はありません。
 なお、この論点とは少し見方は異なるものの、財務省は総務省の公務員給与の官民比較方法について、ラスパイレス指数に拠らない方法等を提言しています。

(参考)
財務省「財政制度等審議会 財政制度分科会 財政構造改革部会」平成19年10月26日
佐賀県知事「財務省調査「地方公務員給与が民間より21%高い」に対する反論」(PDF)
拙ブログ「給与水準の比較方法」2007/10/29

続きを読む

スポンサーサイト



早大と奈良県がタッグ
早大と奈良県がタッグ 人材育成、歴史研究で包括協定
asahi.com 2008年12月22日
 奈良県と早稲田大(東京都新宿区、白井克彦総長)は22日、人材育成や研究、地域活性化などの幅広い分野で協力する包括連携協定を結んだ。早大が都道府県とこうした協定を結ぶのは、創設者の大隈重信の出身地、佐賀県などに次いで4例目。年度内に実務担当者同士の協議の場をつくり、具体的な内容を考える。

 寺社や仏像など多くの文化財を抱える奈良県は10年の平城遷都1300年祭に向け、首都圏での知名度アップをめざしている。私立大の中でも人気の高い早大と連携することで、観光地としての魅力をPRする狙いもある。大学側にとっては、仏教美術や地方自治をテーマにした実地調査などに奈良県の支援を得られるなどの利点があるという。
先生らの自己評価
えっー!先生らの自己評価 A、B評価は全体の98% 
神戸新聞 2008/12/21
 篠山市教育委員会は、昨年度の業務について自己評価した結果をまとめた。16分野で計90項目を4段階評価で総点検したところ、「十分に取り組めた」とする最高のA評価は38項目に上る一方で、「一部しか成果が得られなかった」のC評価はわずか二つ。「ほとんど成果を得られなかった」のD評価はゼロだった。議会からは「採点が甘すぎるのでは」「反省点はないのか」などと、先生たちの“通信簿”に疑問の声が出ている。(前川茂之)


(参考)
篠山市 平成19年度実績「教育委員会の点検・評価」

続きを読む

地域手当、給料の6%に下げ
愛知県職員の地域手当、給料の6%に下げ
nikkei.net 2008/12/20
 愛知県は警察官や教職員を含む全職員の給料に対する地域手当ての支給割合を現在の一律10%から6%へ段階的に引き下げる方針を固め組合側に示した。来年度の財政状況が厳しいこともあり、県は年内にも確定したい考え。実現すれば年間130億円以上の人件費削減効果がある。

続きを読む

育休、専業主婦の夫にも
育休、専業主婦の夫にも 厚労省、改正案提出へ
asahi.com 2008年12月18日 22時1分
 厚生労働省は18日、専業主婦がいる家庭の従業員も育児休業が取れるようにするなど、父親の育児参加の促進策を盛り込んだ育児・介護休業法改正案を来年の通常国会に提出する方針を固めた。来週にも開かれる労働政策審議会(厚労相の諮問機関)が、こうした方針を盛り込んだ報告書を取りまとめる方針。

 育休は原則として子どもが「1歳になるまで」の間に1回取れる。ただ、労使協定があれば専業主婦(夫)がいる家庭の従業員を育休の対象外にできる規定があり、75%の事業所が適用している。改正案では、この規定を廃止。また、母親と父親の両方が育休を取る場合は、育休が取れる期間を「1歳2カ月」まで延長できるようにする。

 厚労省の07年度調査によると、40歳以下の男性社員の3割が育休を取りたいと考えているが、実際の取得率は1.56%。厚労省は法改正により、男性の希望をかなえるとともに、女性に偏っている育児・家事の負担の軽減にもつなげたい考えだ。


総務省の視察
 昨日(12月16日)は、総務省の方が本市へ視察にいらっしゃいました。
 磐田市の人事考課制度についての視察です。詳細にわたる調査書を事前に頂き、視察前にその調査書に回答を記入して返送し、当日は関係資料をたくさん揃えて、こちらも入念な準備をして臨みました。
 
 調査に来られた総務省の方は、調査書の回答を読み込んで、さらに多くの質問事項を用意して来ました。また、こちらの担当者とのやりとりの中で、新たな資料が必要になるほど詳細な聞き取りをされ、予定の時間を過ぎてしまいました。メモ取りの方は大変だっただろうと思います。
 本市における人事考課制度の導入は平成8年度でしたが、その当時のことにまでさかのぼって聞き取りをされました。当然、そんな昔のことは今の我々には分かりませんが、導入当時、私は職員組合の執行部役員をやっていたので、人事考課制度の導入に係る人事当局と組合執行部のやりとりや組合側から見た当時の人事考課制度について、私の経験を話させて頂きました。

 本市では、ツールとしての人事考課制度はかなりデキの良いものであると自負しています。査定昇給等の考課結果の給与への反映方法といった運用面についても、担当者がこの4年の間にかなりの議論と試行錯誤をして来ました。制度として今後更なる進化の可能性を残しつつも、他の自治体には真似のできないエッセンスを制度に吹き込もうと試みているところです。

 総務省の方との話の中で興味深かったのは、人事考課制度を構築する上で、総務省の方は、かなり詳細な運用結果まで想定をして制度設計をしようとしている、という印象を受けたことです。本市の場合も、ある程度の想定はするのですが、ある程度の枠組みを作ったら、とりあえずその運用に入ってしまいます。そして、その実践の中からまた検討材料を見つけて、制度の枠組みをさらにしっかりと作り上げていく、という感じです。
 国は組織が大きく複雑で、職種も多様でしょうから、我々とは比べ物にならないほど抽象的な次元まで考え抜かないといけないのでしょう。

 総務省の方から伺ったお話も非常に興味深く、本市にとっても、非常に有意義でした。
 総務省のみなさん、お体に気をつけてお仕事がんばってください。
広島市職員の時短条例案否決
広島市職員の時短条例案否決 「市民の理解得られぬ」
東京新聞 2008年12月15日 17時27分
 広島市議会は15日、市職員の勤務時間を来年度から1日15分間短縮する広島市の条例改正案について「行政コスト増大を招く」などとして反対多数で否決した。

 時短目的だったが、残業代の単価が上がり、逆に人件費のかかる可能性が市の試算で出ていた。

 おひざ元の自動車メーカーマツダ(広島県府中町)の派遣社員契約打ち切りや、全国で相次ぐ高校、大学生の内定取り消しといった厳しい経済情勢下で「公務員の労働条件だけ厚遇するのは、市民の理解を得られない」と判断した。

 改正案は職員の勤務時間を1日8時間から7時間45分に短縮。市によると、時間あたりの労働単価は約1・4%上がり、来年度の残業量を昨年度並みと仮定すると、時間外手当が約4400万円増える計算となる。

 9月の市人事委員会の勧告に基づき、市が12月市議会に提案。12日の総務委員会では可決していた。

 広島市は「賛同が得られず残念。今後の対応はこれから検討したい」とコメントを出した。

 言葉じりを捕らえるようで恐縮ですが、「市民の理解を得られない」というのは、この場合、適切な表現ではないと思います。
 公務員の給与等の勤務条件は、地域の民間企業との均衡を図るように人事院等の勧告が出され、それに基づき改正していくのが原則です。今回の広島市の条例改正は、この鉄則に沿って行われているものです。
 人事院等の勧告は、地域の民間企業の勤務条件を調査した上で出されるのは当然で、既に民間企業の勤務時間はおおかた8時間より短い7時間45分程度になっており、時間外勤務手当の算出も最低限、労働基準法にのっとり行われているはずです。
 以上のことが市民に理解されないとは思えません。もし、理解されないのであれば、それは公務員給与制度の説明責任を十分に果たしていないからではないでしょうか。
 否決の理由が「市民の理解を得られない」からではなく、「市民感情に配慮して」というのならば、理解できます。
 椎名悦三郎は「それ民は賢にして愚、愚にして賢」と言ったといいます。私は民主主義を信じます。
改正 地方公務員育休法
 tihoujiti様経由で、総務省の第170回国会(臨時会)提出法案が乗っているのを知りました。

 「一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案」で、あれこれ変えています。この中で、地方公務員の育児休業等に関する法律も改正されています。詳しくは、tihoujiti様の解説に譲ります。
 国家公務員の場合、法律と人事院規則で定められる事項が、地方公務員の場合では、法律と条例と規則で定められることになります。起案者の知恵が伺われるものの、その結果が今回の「地方公務員の育児休業等に関する法律の改正」の見るからに煩わしい規定ぶりでしょう。
 私のような例規の素人にとって、今回の改正は給与構造改革や育児短時間勤務制度の導入時のような大変さを伴うものになるのではないかと危惧していました。しかし、それほどでもなさそうで安心です。
 給与構造改革のときは時間との戦いで、育児短時間勤務制度のときは根気が必要でした。しかし、今回の改正では、丸い人間にも角ができそうです。
地域手当で攻防
地域手当で攻防 多摩地域26市
asahi.com 2008年12月09日
自治体職員の給与を決める労使交渉のシーズン。今年の多摩地域のキーワードは「地域手当」だ。地域の実情にあわせた金額を基本給に上乗せする手当だが、国が指定する支給率を超えると特別交付税減額などの「罰則」がある。多摩26市のうち13市が超過団体で、引き下げを求める市では交渉が難航しているところもある。(上林格)

続きを読む

平成20年12月 自主勉強会
 今日の勉強会は、私を含め5人(男3人、女2人)の参加者があった。終わり間際に、妊娠中の女性職員が参加した。

 今日は、前回の話し合いの中で課題とされていた「iプラザ」をテーマとした。事前に各自が疑問点等を出し合い、それらを分類し、分類ごとに意見交換を行うという形式であった。市民サービスの観点や、事務面などいくつかの分類のうち2つについて今日は議論することができた。

 たった5人でも、話しているうちに様々な意見が出てくるものである。それに、新たな発見もある。こうした意見交換の積み重ねが、いつか行政の知恵となり、力となるのだろう。
政府、休暇消化を奨励
オーストラリア政府、労働者に休暇消化を奨励
ロイター 2008年 12月 5日 15:40 JST
 景気後退(リセッション)入りを回避したいオーストラリア政府は4日、国内経済を刺激することを目的に、労働者に休暇を取るよう訴えた。

 同国の1100万人の労働者は、合計で約1億2100万日の有給休暇の取得権利を保有しているが、世界的な景気後退で打撃を受けている観光産業を支援するため、それを消化するよう呼び掛けている。

 ファーガソン観光相は、休暇取得の促進キャンペーンを開始するため、来週にも主要企業との会合を持つ予定。

 同相は「(休暇取得は)企業にも従業員にも、そして世界的金融危機によって大変な時期に直面している観光業にとっても恐らく良いことだ」と述べた。

 数年前、人事の関係者と年休の取得促進策について提案し議論したとき、「人事課は、職員には仕事を休むな、と指導すべきであり、年休取得を促進する立場にはない」と言ったかたがいらっしゃいました。これは明らかな時代錯誤です。内閣府や厚生労働省の政策に対して無知であるだけでなく、社会の流れさえ捉えていません。
 年休を取って家にいても、やることがない、と言う人がいます。それがまさしくワークライフバランスが欠如した労働者の典型ではないでしょうか。そういう人には、まずは休んでもらい、仕事のことは忘れて家でじっくり何をすべきか考えるところから始めてもらえば良いでしょう。組織であれ、個人であれ、これまでの習慣を変えていくことには困難が伴うものです。
 また、「休めない」と言っているばかりではなく、我々も本当に「働き方」を変えなければ、休めない状況でも休むことを強要されることになるかもしれません。そのような事態になったら本末転倒ですが、あながちありえないことでもないかもしれません。
 管理職が異動で替わったりすると、その職場の雰囲気や仕事の仕方などが変わるものです。年休を取得し易い環境を作ったり、職場習慣を変えたりするのは権限を持ったリーダーである管理職の役割です。
改正労基法が成立
残業代割増率引き上げ 改正労基法が成立
中日新聞 2008年12月5日
 残業時間の長さに応じて残業代割増率を引き上げる改正労働基準法が5日の参院本会議で可決、成立した。2010年4月の施行。企業が労働者を残業させるコストが増え、過労死などの一因となっている長時間労働の抑制が期待される。

 これまで残業代割増率は月の残業時間の長さによらず一律で25%以上だった。改正法は残業時間ごとに3段階で割増率を設定。月45時間までは25%以上、月45時間超-60時間までは25%より引き上げるよう労使で協議、月60時間超は50%以上とした。

 月60時間超50%以上の割増率は、経営体力を考慮して中小企業には当分適用せず、施行から3年後に適用を検討する。

 また年次有給休暇の取得を促進するため、労使協定を結べば、5日以内の有休を複数の日に分けて時間単位で取得できるようになった。

 厚生労働省は、一部労働者に残業代を支給しないホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間の規制除外制度)と併せて導入しようとしたが、世論の反発を受け2007年2月に見送った。

 50%以上の割増率を適用する残業時間は当初、月80時間超だったが、「過労死が認定される基準」として労組などが反対し、自民、公明、民主各党が月60時間超への修正に合意した。

地方のかがやき 静岡県磐田市
総務省の広報誌「総務省」2008年12月号に、静岡県磐田市が紹介されています。
多文化と共生しながら災害に強いまちをつくる」(PDF)
船橋市課長収賄:市に衝撃
船橋市課長収賄:市役所に衝撃 副市長「信頼回復に努める」 /千葉
毎日新聞 2008年11月22日 地方版
 船橋市での宅地開発を巡り、業者から300万円の小切手を受け取ったとして、市宅地課長、早川雅人容疑者(53)が収賄容疑で逮捕された。「都市計画のエキスパートで、頼れる能吏だったのに」。逮捕から一夜明けた21日、市役所には衝撃が走り、松本敦司副市長らが記者会見で「市民の皆様にご迷惑をおかけし、大変申し訳ありません」と陳謝した。【袴田貴行】

 先般、tihoujiti様のブログ経由で紹介させて頂いた「法務などに専門職員」に関連して、他自治体の人事のかたから情報提供を頂いた記事です。

 専門職の育成は、職員のキャリア形成や職員の適性を生かすという点のほか人材の有効活用といった点からも有用かつ必要な人事施策ですが、ゼネラリストの場合と同様に、慢心、自信過剰、腐敗などといった負の効果が生じる場合があります。
 専門職制度を構築する際には、その点のガバナンスがしっかりとできる仕組みを取り入れることが必須です。人材育成は性善説で行えますが、組織で仕事をする場合、こと権力に関しては、性善説で考えるべきではなく、性悪説で考えるべきです。
 課長のようなラインポストで、ゼネラリストとして養成された人の場合でも、一定規模のある組織では、特定の分野でゼネラリストとして養成していくことになりますので、注意が必要です。ゼネラリストであれ、スペシャリストであれ、一定の分野で、当該職員がその道のプロとみなされてしまうと、異動をさせる側としても当該職員を異動させにくくなります。人事異動は、適材適所のために行われます。しかし、「適材適所のため」でも指摘したとおり、適材適所であった人が、当該部署で一定期間経過するうちに、マンネリなどにより適性を一時的に失う場合があります。
 専門職の育成は、研修のほか主に長期在籍により行われますが、人事としては、専門職をただ単に異動させないでおく、ということではなく、人事ローテーションにある職員同様に、職務能力(専門性)向上の程度や勤務状況についても検証することが必要です。異動させることにより、職員のモチベーションが落ちるという負の効果よりも、長期在籍による慢心等による負の効果が大きいと判断する場合には、組織的効用を重視して、専門職であれ異動をさせます。
 また、専門職の異動は、「組織」で結果を出すことを専門職が知るためにも必要です。

続きを読む

法務などに専門職員
tihoujiti様経由で、
法務などに専門職員 県議会で知事方針、計画的異動で養成
徳島新聞 2008/12/3 15:37
 徳島県議会十一月定例会は三日午前十時三十二分、本会議を再開し、代表質問に入った。今後の組織の在り方に関し、飯泉嘉門知事は知識、経験が必要とされる法務、福祉、情報など九分野で専門職員を育成する方針を明らかにした。これまで多かった短期間での異動ではなく、計画的にスペシャリストの養成に取り組む。樫本孝氏(自民新政会)の質問に答えた。

 樫本氏が、地方分権に対応した県庁組織の充実の必要性を指摘。これに対し、知事は専門職員育成に向け、現職員の中から募集、選定する意向を示した。九分野は法務などのほか、年金・給与・公務災害、税務、児童福祉、企業支援、用地、財務・監査が予定されている。

 tihoujiti様も指摘されていますが、専門職が独善化したり、自信過剰になって権限意識を持つことは問題です。専門職でありながら、権限を持つことを望む者もいます。この願望は組織的な視点からすれば健全な発想ではないと私は考えます。したがって、専門職制度を設けるに当たって、専門職の独善を避けるようにすることは、専門性の測定の問題とともに、非常に重要かつ困難な課題であるといえます。
 役所では、今でも年功的な昇格管理をしている上に、日本的な「目上の人間を敬う」風潮のある組織においては、特定の部署に長く在職していて、しかも専門的知識の豊富な職員に属人的な権限を慣習的に付与してしまう恐れがあります。専門職制度を構築する場合、その危険性の抑止をするシステムをしっかりと設計する必要があります。独善化の抑止策は、ゼネラリストの場合と同様で、専門職であれ、人事異動をさせることです。そのためには、専門分野は比較的広い分野とし、幅を持たせることです。
 また、専門職を任用上の制度として構築する場合、従来の昇進管理において行われていた年功的な昇任を廃止する必要があります。つまり、ライン職でそれ以上の昇格が望めない人材を年功により昇格させ、スタッフ職の職名を補すケースです。

続きを読む

特勤手当88%削減
自治体の特殊勤務手当88%削減
ロイター 2008/11/30
 本給などとの二重支給になっているとして総務省が見直しを求めていた都道府県と政令指定都市の計210の特殊勤務手当のうち、162手当が本年度までの4年間で廃止され、支給額ベースで87・6%の削減となったことが30日、同省のまとめで分かった。
 特殊勤務手当は本来、不快感や危険が伴う業務に支給される。各自治体は、時間外勤務手当に上乗せする形の早出手当などに拡大、“お手盛り”と批判されていた。
 
 「自治体」といっても、これは都道府県と政令指定都市についての記事です。

 総務省は「批判を受けて各自治体が問題意識をもって取り組んだ成果」としているが、特殊勤務手当の全廃に向け、17都府県と7市に残っている48の手当についてもさらに見直しを働き掛けていく方針だ。
 他紙におけるこの記事の結びは以上のようになっていますが、神戸新聞の記事は、次のように少しヒネッてあって好感が持てました。

都道府県などの「特勤手当」88%削減 神戸市は?
神戸新聞 2008/12/1
 総務省は「各自治体が問題意識をもって取り組んだ成果」としているが、特殊勤務手当の全廃に向け滋賀や大阪など17都府県と京都や神戸など7市に残っている48の手当についても見直しを働き掛けていく方針だ。

続きを読む

「よくやった手当」廃止
民間なら当たり前…「よくやった手当」廃止 都外郭団体
朝日新聞 2008/11/30
 東京都の外郭団体・都道路整備保全公社は、功労のあった職員に毎年6月に支給してきた5万~15万円の手当を来年度から廃止する。その名は「よくやった手当」。

 02年度に導入され、「作業マニュアル見直し」「正確な金銭集計」「積極的な場内清掃」などの取り組みに対し、翌年度に支給してきた。今年度も、80人に計520万円が支払われた。

 「民間なら当たり前の内容ばかり」「支給額が高すぎる」。都議会で批判を浴びて、消えることに。その決定こそが、「よくやった」。

 業績評価による賞与査定としてならば、あながち的外れな手当でもないでしょう。しかし、記事の中で批判されているように、「作業マニュアルの見直し」などが評価の対象では、不適切な手当であると批判されても致し方ないでしょう。

 一つの手当の妥当性や合理性という点で、この「よくやった手当」は、その名称から怪しい雰囲気を醸し出していますが、功労に対して給与面で手当てするという趣旨では、査定昇給や賞与の成績率にも同様の怪しさが内在し得ます。つまり、言い換えれば、「査定昇給」や「賞与査定における成績率」というもっともらしい大義名分であっても、評価の対象の妥当性や評価の基準の合理的がなければ、これは「よくやった手当」と何ら変わるところはありません。目標管理制度を中心に行われている自治体の人事考課制度において、目標設定度と達成度の評価が重要である由です。

 しかし、記事中「民間なら当たり前の内容ばかり」という指摘は、見方が甘いのではないでしょうか。「民間」のケースを引き合いに出すほどのことでもなく、行政本体から見ても合理性がない手当であるからです。いずれにせよ、外郭団体への出資金の一部あるいは全部が税金であることを考えれば、プロパー職員に限らず非正規職員の勤務条件を含め、その人事給与制度には行政本体によるチェックが必要です。

 私の場合、経験がないので分かりませんが、想像するに、手当で評価されるより上司から「よくやった」という一言をもらえる方が、きっと嬉しいと思います。
「国義務付け項目」半減 分権委
「国義務付け項目」半減 分権委 首相に勧告へ 自治体の裁量拡大へ
西日本新聞 2008/12/3 00:06
 政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は2日、国が法律や政令で地方自治体の業務を縛る「義務付け・枠付け」の見直し案を公表した。見直し対象となった482法律の1万57条項のうち、ほぼ半数の4076条項について「不要」と指摘した。国の出先機関改革とともに、8日にも麻生太郎首相に提出する第2次勧告に盛り込む。実現すれば地方の裁量権が大幅に拡大するが、権限縮小につながる中央省庁の強い抵抗が予想される。

 改革の歯車を止めよう、あるいは遅らせようという力はどのようなメカニズムによって働くのでしょうか。既得権があることについて、それを変えようとしないのは、人間のサガであろうと思います。誰の立場に立って物事を考えるかによって判断も異なるでしょう。市民のため、国民のため、と言っても、それが個々人を指すものではなく集団なので、意思決定は困難になります。

 サッチャー元首相は、国民がイヤだと言っても、それが国のためならば実行する、という趣旨のことを言ったそうです。これは個人は無政府状態では社会生活を営めない、という思想です。権限移譲を嫌う官僚がサッチャー元首相のように高尚な哲学をもって考えてくれることを望みます。

続きを読む

迷惑メールのクリック率と購入率
 日経BPネットに「迷惑メール広告のクリック率と購入率を実証調査」というおもしろい記事がありましたので、ここに紹介します。
 調査の内容自体にも興味が湧くところですが、その調査における検証方法に疑問を呈しているところにライターのかたの倫理観を感じます。

(参考)
Spamalytics: An Empirical Analysis of Spam Marketing Conversion(PDF)1.88Mb
IT Pro「スパムメールの収益性が明らかに」2008/11/13
退職手当法改正案など決定へ
退職手当法改正案など決定へ=政府
時事通信社 2008/12/01
 政府は2日の閣議で、不祥事を起こした国家公務員の退職金の返納対象を拡大する国家公務員退職手当法改正案と、本府省業務調整手当の新設や勤務時間の15分短縮を盛り込んだ給与法等改正案を決定する。いずれも開会中の臨時国会に提出する。(了)

 tihoujiti様のブログにありますが、いつ成立するか、というのが気になるところです。
 政府の最優先課題は予算でしょうし、それがすんなり通るかもしれませんが、改正地方公務員法の二の舞の可能性もあります。
 15分の時短は、それ自体は事務的に大した改正ではありませんが、それに伴う育児短時間などの改正は少し煩わしいかもしれません。既に1日の勤務時間が7時間45分となっている自治体で、育児短時間制度を導入しているところの例規が気になります。
町議を部長級職員に任用
「町議を部長級職員に任用」 愛知・一色町が特区提案
asahi.com 2008年11月29日
 町議を議員の身分のまま、町職員として任用する――。そんな試みを愛知県一色町の都築譲町長がめざしている。28日に記者会見し、構造改革特区として実現できるよう11月に内閣府に提案したと発表した。

 町長は
 会見で「議員の考えを早期の段階から行政事務に取り入れ、行政サービスの質を高めることができる。『議院内閣制』の考え方を取り入れた形にしたい。数少ない町職員ですべての行政事務をこなすには限界がある」と話した
そうです。
 この町長の考え方は私のそれとは異なるところがありますが反対ではありません。結果的には同じようなものですが、私は他の施策として、非現業職員も議員に立候補できるようにするのも望ましいと考えています。

(参考)
総務省「第29次地方制度調査会の議事要旨」平成20年10月7日開催 第16回専門小委員会 参照
多治見市「地方公務員と地方議会議員との兼職特区
しきのぴぃちゃんの日記「在職したまま選挙に立候補できる地方公務員

続きを読む

育休法、残業免除を義務化
育休法改正、残業免除を義務付け 厚労省が検討
朝日新聞 2008/11/28
 働きながら子育てをするため、3歳未満の子どもがいる従業員は残業を免除してもらい、短時間勤務もできるように、厚生労働省は育児休業制度を改める方針を固めた。事業主に一律に義務づける。男性の育児参加を促す仕組みも検討。来年の通常国会に育児・介護休業法改正案の提出を目指す。

 経営側が指摘するように、業種を問わず一律の義務化は困難を伴うでしょう。また、労働側の短時間勤務などについて子供の対象年齢を引き上げるべきであるという主張にも傾聴すべきものがあります。

続きを読む

プロフィール

きんた

Author:きんた
Yahooブログ「ある地方公務員の隠れ家」(since 2007/2/24)から移転しました。

【自己紹介】
・1964年 静岡県浜松市生まれ

【趣旨】
まちづくりと公共政策について考えます。
本ブログは私的なものであり、私の所属する組織の見解を反映するものではありません。

【論文等】
政策空間 2007年10月
複線型人事は新たなモチベーション創出への挑戦
政策空間 2009年2月
資源ベース理論による自治体人事戦略の構築

【連絡先】
下のメールフォームからお願いします。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
ブログ内検索
検索キーワード10
最近のコメント
カテゴリー
月別アーカイブ
最近のトラックバック