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2009/11
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浜松市は私の生まれ故郷
 山崎泰啓氏(浜松市副市長)が磐田市に来られたそうです。
11月27日(金)は、(略)夕方、磐田市役所を訪問し、副市長などと情報交換をしました。磐田市は、人口17万6千人で、磐田市、福田町、竜洋町、豊田町、豊岡村の5市町村が合併しています。製造品出荷額が2兆5千億円に上る工業都市ですが、経済不況の影響を受け、大変厳しい状況とのことでした。類似の課題も多く、情報交換の大切さを実感しました。

 浜松市は私の生まれ故郷で、子供の頃には東伊場や鴨江に住んでいましたので、とても親しみのある街です。また、浜松市は磐田市のお隣であり、先進的な行革に取り組んでいる政令市としても非常に関心があります。例えば、浜松市は行財政改革の一つとして、職員数の削減に取り組んでいます。平成16年度対比で10%に当たる650人の削減を目標にしています。浜松市の新定員適正化計画(平成18年度から平成22年度までの5カ年間)によれば、平成18年度の職員数6,370人に対して、平成22年度の目標職員数は5,849人になります。平成21年度の職員数は5,950人であり、目標達成まで後101人まで来ています。平成19年4月の政令市移行に伴う県からの事務移譲により増員を要するところ、平成19年度から21年度までの3年度間、各年度で108人、155人、157人と計画を上回る職員数削減を実現し、実績を挙げ続けています。

 なお、浜松市は格付け会社「ムーディーズ」の格付けで、「Aa2」の評価を受けています。自治体ではトップレベルの評価です。生まれ故郷であり、今でも大好きな浜松が、このような評価を受けているのは嬉しい限りです。

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職員提案の意見実施
 「職員提案の意見実施」として、官庁速報(2009年11月27日)に、本市の記事が載っていました。職員の提案制度は、別段珍しい取組みではありません。多くの自治体で取り組まれています。磐田市には、行革の「カイゼン報告」制度は実施していますが、いわゆる職員提案制度の要綱はありません。

 磐田市の取組みが記事として取り上げられたのは、その手法がユニークだったからでしょう。今回の職員提案に当たって、市長は4月の就任直後から全課を対象に課ごとの職員ミーティングを行い、その中で自分の方針を述べた上で、職員に提案の提出を求めました。提案は自分の課のことに限らず、他部署の分掌に関しても積極的に提案することが求められました。

 集まった提案から実施するものの選定に当たっては、選定委員会などは設置しませんでした。すべての提案はイントラを通じてすべての職員が目を通し、各職員が「すぐに取りかかれるもの」「翌年度以降に取り組めむべきもの」を選定し、各課でそれをまとめました。つまり、自分たちで提案したものを自分たちで選定し、自分たちで提案を実践するという、職員参加型のやり方であったわけです。
 こうした方法により進めた職員提案は、非常に長い時間を要しました。市長と職員とのミーティングは市長就任直後から始まりましたから、12月1日からの実践までほぼ7カ月、言い換えれば、職員の声を聞くのに任期の8分の1を費やしたわけです。

 さて、それでは提案の選定について考えてみます。
 現状を良しとする職員は、当該事項について発言をしないわけですから、提案数は単純に考えても、その倍のスタンスがある、と考えました。また、一つの提案が、何を課題と捉えたものなのか。どのようなアプローチでその課題を解決しようとするものなのか。同じ課題を違うアプローチで解決しようとする提案はないか。同一課題の提案間で、費用対効果の比較衡量はしたか。相反する課題はないか。課題としての優先順位は何を基準につけるか。提案が課題解決のために十分具体的で実現可能性はあるか。そもそも課題の捉え方自体が適切か。既に実施済み、あるいは実施中の施策が、なぜ改めてこの提案の中にあるのかなど、いろいろ考えてみました。

 職員提案の意見の選定については、結論が出ました。後は12月1日から実践するのみです。後日、この「職員提案」をリーダーシップ論の視点から考えてみたいと思います。

(参考)
木下敏之第8回 職員提案制度の活性化の鍵」(ITPro)
野上幹夫氏逝去
野上幹夫

野上幹夫氏(元浜松市学生寮寮長)が亡くなられました。
ご冥福をお祈りいたします。

告別式では、久しぶりに井上寮長、昭一さんと奥さん、そして今年結婚した中に会えました。
国会 会期延長にらみ駆け引き
国会:正常化、会期延長にらみなお続く駆け引き
毎日新聞 2009年11月25日
 中小企業者等金融円滑化臨時措置法案の採決強行を巡って与野党が対立していた国会は25日、自民、公明両党が衆院で委員会審議に復帰し、正常化した。26日の衆院本会議では、政府提出12法案のうち国家公務員などの給与関連7法案と新型インフルエンザ対策法案が採決される。(略)

 与党は26日に8法案を衆院本会議で可決した後、金融円滑化法案とともに27日から参院で審議入りし、会期末の30日に成立させる日程を描いている。しかし、郵政法案は26日の衆院本会議で趣旨説明と質疑を行うものの、総務委員会の採決時期は未定だ。
 
弱い者が発展する
 先のエントリー「自治体法務検定 政策法務編」で、私が恥ずかしながら、この年になって法務を勉強しようと思ったキッカケになった記事を次に紹介しておきます。総務省の岡本全勝氏が、吉村仁著「強い者は生き残れない-環境から考える新しい進化論」(2009年、新潮選書)に関連してお話されていることです。
 変化に対応する術を身に付けていかなければ、生き残れない。行政は倒産しませんが、生き残らなければならないのも事実です。見方を変えれば、行政はただ存在している、というだけでは、生き残っていることにはなりません。追い出すことができない行政という組織体が、信頼を得て生き残れるかどうかは、つまるところ職員しだいではないかと思うのです。

岡本全勝のページ」から
 弱い者が、従来の場所を追い出されます。そして、次の場所は、必ずしも暮らしやすい場所ではありません。条件が良い場所ならば、強い者が先に行くはずです。そして、その条件の悪い場所で、適応し、能力を伸ばした者が、発展するのです。会社や組織でも、同じような例はたくさんあるでしょう。会社や学問にあっては、従来の場所はそのうちに飽和します。新天地を開拓しない限り、次なる発展はないのです。もちろん、追い出された者が、すべて成功したわけではありません。努力とともに、運も必要でしょう。
(2009年11月23日)(抄)
自治体法務検定 政策法務編
 「自治体法務検定」を受けてみようか、と思うようになりました。
 阿呆学部出身であったせいか市役所に採用される前から、例規には関心がありました。政策は法令化されることにより実現されるという認識もありました。しかし、採用から10年くらいの間は、税務や総務の経験もあったのですが、7年間、年金業務に携わりました。社会保険庁の杜撰さを知る今となっては、この7年は自分のキャリアの中でも非常に残念なものなってしまいましたが、その当時は年金保険料の納付督励や、免除申請をしてもらうために外へ出かけ、非常に楽しく、やりがいを感じられる毎日でした。

 これまでのキャリアの中では例規に触れる機会はほとんどありませんでした。しかし、キャリアを重ねて行くに連れて、法務の知識は必須である、という認識が段々と強くなり、法務に対する自分の知識や経験が不十分であるという不満と焦りがありました。自分の関心分野であることは別にしても、キャリア形成上、必要であり、また自分の弱みと言える分野について、勉強をしてみよう、と思うようになりました。45歳にもなって手習いというのもお恥ずかしい話ですが、このままやらないで行けば、後悔するだろうと思います。

 法務には関心があるという以上に、誰もが身に付けておくべきだという認識を持つようになりました。人事担当課へ来て7年目になりますが、私だけの経験から見ても、これまで「給与構造改革」(PDF。2.74MB)や「育児短時間勤務制度」(PDF)の導入など制度的な見直しがありました。例年の人事院勧告も賞与の支給月数を改正する程度では済まない内容のものが見受けられるようになって来ました。そういう変化に適当に対応できないときには情けなさを感じます。

 思えば、数年前、kei-zu様に「政策法務って何なのか、分かり易く書いた本はありますか?」と訊ねていました。今、誰かに「政策法務とは何か」と訊かれても、私は答えることができません。ただ、「公務員として必要な技術や考え方の一つだ」と、いま自分が自治体法務検定を受けようと考えるに至った思いを語ることしかできません。

 仲間を見つけて、こつこつと取り組むこととします。
 市役所職員となって早20年。少し出遅れ気味で恥ずかしいのですが、国では65歳定年が検討される中、残り20年の自分のキャリアを、より一層充実したものにするためにも、是非、取り組みたいと思います。
England's Road To South Africa
England's Road To S.A.

 今年の夏は、家族でイギリスへ行く計画でしたが、衆議院議員選挙があって私だけいけませんでした。
 そんな自分にクリスマスプレゼントを注文しました。ワールドカップ南アフリカ大会・ヨーロッパ予選のイングランドの闘いを記録したDVD「England's Road To South Africa」です。ディスクが2枚のコレクターズ版です。日本のアマゾンではまだ取り扱っていないようなので、堪りかねてイギリスのアマゾンに注文です。今年のクリスマスと年末年始は、このDVDと「Season Ticket」を繰り返し観て過ごすことになるでしょう。
社会の正義・公益のために税金を使いたい
 公務員の勤務条件は、民間準拠によります。具体的には、給与や勤務時間などは民間の状況を調査して人事院が勧告をし、政府が関係法案を国会に提出するというプロセスを経て決定します。公務員の仕事は、どのようなプロセスによって決まって行くのでしょうか。これも政策が法案化され、国会に提出されることにより実現していきます。この政策の実現が公務員の仕事になります。

 公務員の勤務条件も仕事も民主的なプロセスを経て決定しますが、大きな違いは公務員の勤務条件は民間準拠でも、その仕事は民間準拠ではない、という点です。つまり、民間では、売れるものを基準にサービス(言い換えれば、社員の仕事)が決定し、そのサービスの売り上げに応じて給与や勤務時間といった勤務条件が決まります。民間では、仕事と勤務条件は密接な関係にあります。民間では景気の落ち込みにより、売り上げが減り、それに伴い給与が下がり、残業が減るなどして労働時間が短縮されます。公務員の給与も民間準拠により下がることになります。

 行政の歳入も同じで、景気に左右されますが、歳出である仕事は景気に左右されることはありません。つまり、不景気においても公務員の仕事は減らないわけです。それどころか、行政の仕事は、景気対策の面で増えることになります。公務員の勤務条件と仕事量とは、民主的なプロセスを経て決定されますが、相互に有機的な関係はないため乖離する現象が生じているといえます。

 仕事は増える一方なのに給与が下がる、といった矛盾を感じつつ仕事をしている公務員は多いと思います。人事院が2002年に初めてマイナス改定を勧告した頃から、人事院勧告制度の限界と不合理が指摘されて来ました。その結果として公務員の労働基本権の回復が議論されているのかもしれません。

 仕事が増えた、と捉えるのも一つの見方ですが、新たな役割を担ったと考えることもできます。変化に対応し会社組織を存続させることが民間経営者の役割であるように、行政も社会の変化に対応し政策の選択をしなければなりません。地方は分権の中で、これまで国が国民に説明して来たものを、自ら市民に説明できることが求められています。また、庁内分権では、自分の担当分野に限られた責を負うのではなく、行政が決定した政策判断について、職員は現場で市民に語り掛ける機会を持てるのです。

 高田英樹氏が、日経ビジネスのインタビューを受けています。
 その中で高田英樹氏は「多くの人がムダに思うようでも、一部に必要としている人がいる予算があります。こうした予算を削るのであれば、必要としている人を説得しないといけません」と述べています。この説得は、事業仕分けでできるものではなく、議員も含めた公務員が汗をかくべきところだと私は考えます。

 なお、高田氏のインタビューに関する考察として、労務屋氏の「若きキャリア官僚の秋」をご覧になってください。

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組織わかりやすくします
『組織わかりやすくします』 県方針、部長か課長に /神奈川県
2009/11/21 読売新聞
◆副部長、担当部長、次長、参事、担当課長、課長代理…◆

 県は20日、本庁の課を細分化するなどの組織再編を行う方針を決めた。12月1日開会の12月定例議会に条例改正案を提案し、可決されれば、来年度から実施する。県人事課は「迅速な意思決定と機動的対応ができる組織へ転換したい」としている。

 再編案では、知事部局の「7部1局」を「8局」にし、現在の部長らが局長となる。局長は、これまで部長が担った許認可書類の最終決裁など煩雑な業務から離れ、施策方針の立案や重要課題の政策判断などに専念する。

 また、現在約80ある課を、専門課題に対応できるよう140程度に細分化する。一方、縦割りの弊害をなくすため、関連課題を担当する複数課を束ねる32部を新設する。

 副部長、担当部長、次長、参事、担当課長、課長代理、副課長など、現行では数多い管理職名を原則廃止し、「部長」か「課長」にする。部長と課長の人数は大幅に増えるが、人件費などは現行の範囲内に抑える。

 140に細分化する課と新設される32部は、新たに課長と部長にされる多くの管理職名の職員たちが充てられることになるのでしょう。階層が多くあるよりも、フラットなほうが分かり易いものです。細分化によるセクショナリズムは、部単位でヨコの連携を図るということでしょう。組織再編の成否は、この部が握ることになるかもしれません。

神奈川県は、10級制です。級別標準職務は次のような感じです。
10級:責任の度が特に高い部長等
9級:本庁の部長、担当部長
8級:本庁の各部の総務課長、責任の度が高い本庁の課長、参事
7級:管理担当課長、政策企画担当課長、企画担当課長又は担当課長、副課長
6級:主幹
5級:副主幹、課長補佐
4級:主査又は係長
  組織が大きくなると、いろいろな職名ができて来ます。県くらいの規模になると、私の理解を超えますが、神奈川県の現状は、部長級が10級と9級、課長級が8級と7級、補佐級が6級と5級に区別されているようです。今回の組織再編を給与と任用面から見ると、職務の級は異なれど、補職名は統一するということかもしれません。分かり易いのが一番です。誰のために、何を分かり易くするか、というのがポイントです。職員のために職員相互間あるいは組織内での上下関係等が分かり易くするのも一法でしょうが、市民にとって、当該職員が組織内でどういう役割を持ったどういう立場のものであるかを分かり易くするのが良いと思います。
 対外的には「係長」であっても、内部では「グループ長」、「主幹」、「副主幹」などと呼び名が異なるものとすることもできます。
給与法改正案、19日審議入り
給与法改正案、19日審議入り-衆院
時事ドットコム 2009/11/17-20:07
 衆院議院運営委員会は17日の理事会で、人事院勧告に基づき国家公務員給与を引き下げる給与法改正案について、19日の本会議で趣旨説明と質疑を行うことを決めた。
美貌の現役兵士、「ミス・ワールド」へ
美貌の現役兵士、「ミス・ワールド」へ 英国防省が許可
2009.11.8 00:39 産経ニュース
 イラク戦争に従軍した際には同僚から「戦うバービー人形」の愛称を授けられたというホッジさんは、2009年のミス・イングランドで準ミスに輝いた美貌(びぼう)の持ち主だ。

 AP通信によると、英国防省は7日、ホッジさんが12月に南アフリカで開催される「ミス・ワールド」にイングランド代表として出場することを許可すると発表した。当初、大会に出場予定だったミス・イングランドが、ナイトクラブでの乱闘劇で逮捕され、ミスを返上したための措置という。
  
 国防省職員と自治体職員とでは服務も異なるでしょうが、許可を出したというのは、いい判断だったのではないでしょうか。
人勧より職員の汗
人勧より職員の汗…東川町ボーナス満額支給へ
2009/11/13 読売新聞
 北海道東川町は、冬の期末・勤勉手当(ボーナス)を減額するよう求めた人事院勧告に準ぜず、町職員に満額を支給することを決めた。自治体職員の給与やボーナスは、国家公務員を対象とした人事院勧告に準じて判断されるのが通例だが、松岡市郎町長は「職員の日頃の努力に形あるもので報いたい」と異例の判断に踏み切った。(中略)

 東川町は、夏のボーナスは人勧どおりに0・2か月分を減額した。しかし、行政改革で大幅な職員削減に取り組みながら、7月に全国的な高校生の写真コンテスト「写真甲子園」を成功させるなど、職員の努力で独自の取り組みをこなしていることを踏まえ、冬のボーナスは減額しないことにした。ボーナス支給時に調整される4~12月の月給も減額せず、減額が見送られた金額は職員約100人分で計約600万円になる。

 同町は、こうした措置を年内限りとし、来年1月からは人勧どおりの減額を行うことにしている。

 町側が、議会でどのような説明をするのか非常に興味があります。
 勤勉手当の成績率に反映するという方法もあったと思いますし、それが制度が本来予定しているやり方ではないかと考えます。「写真甲子園の成功」などが理由の一つのようです。評価に値するその他の事業もあったのかもしれませんが、町長自身の言葉として「職員の日頃の努力に形あるもので報いたい」というのが紹介されています。
 職員の日頃の働きぶりに対する町民と首長の信頼なくして提案できないことです。住民に最も近い行政である基礎自治体の中でも、比較的小規模な団体の魅力の一つだと思います。
職責と給与の差
 横浜市や名古屋市で昇進試験の受験者が減少傾向にあることについて、以前記事を書きました。横浜市が行った職員アンケートによると、昇任を好まない理由が3つ挙がったそうです。
1 対外的に責任のある係長以上は、負担が重くなるから
2 趣味などの私生活と両立できない
3 仕事がきついのにそれに見合った収入が得られない
 このうち1番目の「責任」と3番目の「相応の対価」という視点から考えてみました。

 私は、部長の給与は、もっと高くても良いと考えています。見方を変えれば、部長でない人の給与は、もっと低くても良いのではないでしょうか。つまり、部長とそれ以外の職(例えば、課長等)の職責の差に比べて、給与にはあまり差がない、と考えます。給与構造改革により、昇給カーブは若干フラット化され、また級間の給料月額の被りも縮小されました。しかし、昇格時の給料メリットは給与構造改革の前と後とでは、それほど変わらないと言えます。

 職責の差は、補職名、給料表の職務の級、管理職手当の有無といった具体的に違いに表れるので分かり易いのですが、給与面でどれくらいの差を設定するかは制度設計しだいです。具体的には、給料表の構造と管理職手当の金額の問題になります。ただし、これは是非の問題ではなく、公務員の給与政策の一面を指摘したに過ぎません。

 平成18年、人事院が管理職手当の定額化を勧告しました。管理職手当の定額化は、管理職手当が定率制の場合、年功とともに管理職手当がアップすることから、これを廃止するため勧告されました。管理職手当の支給対象となる職務の級は決まっています。したがって、管理職手当は職務の級に応じた定額としたものの、給料については昇給抑制措置がされた査定昇給の範囲内で年功的な上昇を制度として残したことになります。部長職が民間の取締役相当ならば、給料プラス手当という形ではなく、報酬に一本化されたものになるのかもしれません。

 給与制度は、任用制度と密接に関係しています。これについては、総人件費抑制の中で、給与原資を職員にどのように配分するかという観点から、後日、触れたいと思います。
基本給、成果反映が後退
基本給、成果反映が後退=8年前より15ポイント減-厚労省調査
2009/11/5 19時1分配信 時事通信
 厚生労働省は5日、全国の企業を対象にした2009年就労条件総合調査の結果を発表した。社員(管理職除く)の基本給を決める際に重視する主な要素(複数回答)として「業績・成果」を挙げた企業は46.6%にとどまり、01年の前回調査から15.7ポイントも減少した。
 一方、今回初めて尋ねた賞与の決定基準は、「業績・成果」(58.9%)が「基本給」(32.5%)を大きく上回った。厚労省は「基本給は安定性が必要なため職務・職種を基本に考える一方、賞与に業績・成果を反映させる傾向が強まっている」とみている。 

 平成18年4月1日から国や自治体で始まった給与構造改革による新給与制度では、定期昇給に代わり査定昇給が導入されました。民間では、査定的な昇給の見直しが既に進んでいます。若い職員には、成果主義・能力主義を指示する職員がいるのも事実ですが、そうした若手職員が考えるところの成果主義・能力主義とは何かを明確にする必要があります。私が若手と話して感じることは、彼らは非常にやる気に満ち溢れている、ということです。そして、そのやる気は、保守的な管理監督職に対する不満として、また成果主義・能力主義の支持という形で表れるように思います。そうしたやる気のある若手職員には、昇給を標準的な幅より上げてあげるよりも、やる気相応の仕事や責任を任せることが成長につながります。彼らが、今後ゼネラリストを目指すのか、そうでないのかは分かりませんが、こうした経験が彼らのキャリア形成にも役立つと考えます。

20年ぶりの手紙
 今日(11月3日)、久しぶりに手紙を書きました。

 ワープロやメールではなく、直筆の手紙です。便箋に4,5枚ですから、少し長めでしょうか。

 直筆の手紙を書くのは何年ぶりでしょうか。私の記憶が正しければ、それは1989年に、私がイギリスから来た女性に初めて出会い、デートに誘うために書いたものです。

 その時は不安を抱きつつ愛を綴り、今回は信念を綴りました。

 今回の手紙を書くに当たっては、決して後悔することはないと信じられるので、何の不安もありませんでした。

 結局、私はそのイギリスの女性と結婚しましたが、今はあの手紙を書いたことを後悔していないとは言えないことは、妻にはヒミツです。

(ブログ読者との会話)

読者「曽野田さん、信念を綴った手紙は奥さん何て言ってました?」

私「手紙の相手は、女房じゃないよ」

読者「どこの女性ですか?」

私「相手は男だよ」

読者「な~~んだ」

残業抑制と人事考課
 日本経済新聞朝刊(2009.5.4)に、Jパワー(電源開発)が社員の残業時間と休日出勤日数を減らす「ワークライフバランス」実現に向けた取り組みを強化、として、つぎの記事を掲載していました。
 部長クラスの評価基準に部下の労働時間短縮を加えたほか、残業時間や休日出勤日数を役員会で報告する。ワークライフバランスを全社的な経営課題との認識を持たせる狙い。
部長の評価基準に労働時間削減の達成率を加えることで、部単位で労働時間削減を進める。労働時間削減が進まなければ、社長が面談の場で部長を問いただすこともある。
(2009.5.4)

 残業はなぜ発生するのでしょうか。
 考えられる原因は様々ですが、職員数に対する仕事量が多いことがしばしば挙げられます。また、残業手当が欲しい職員には残業に対してインセンティブが働いていることもいわれます。
 残業の原因を分析し、その原因ごとの対策をとらなければなりません。基本的に、残業をしないで済むような仕事の仕方に変えていくことが必要です。例えば、時期的な業務量の増加や休日のイベントならやむを得ませんが、前者については、繁忙期に臨むに当たって、事前に残業の縮減措置が検討できるでしょうし、イベントにしても休日にやらないで済ませるような発想も必要かもしれません。いずれにせよ、 旧套墨守では進歩がありません。お金がないのですから、今までと同じことを同じ方法でやっていては、行き詰るのは目に見えています。

 平成22年4月からは、労基法が改正され、月60時間を超える残業に対しては、割増率がアップされたりします。この法改正は、残業抑制を経営側に促す効果があります。逆に労働者側には、残業に対するインセンティブになり得ます。
 経営側からの残業抑制策の下、一つのやり方がJパワーのやり方です。部長が部の時間外勤務手当の総予算に対する削減率を目標として設定し、部内の課長には各課における残業予算の削減率を部長が設定させます。元々残業の少ない部署もありますから、一律にはできませんから、各課、各部でそれぞれの状況に見合った目標を設定すれば良いと思います。残業の少ない部署では、「残業を0にする」というのも一つの案です。
 管理職にこうした目標設定をさせることにより、サービス残業の発生が懸念されます。この対策として、人事行政に関する私の師である小川友次氏の「地方公務員の新 勤務時間・休日・休暇」(学陽書房)に、賃金不払い残業の抑制という観点からの人事考課が提案されています。この提案を具体的にはどのように実施するかは、時間外勤務の縮減方法と同様に知恵が必要なところです。
プロフィール

きんた

Author:きんた
Yahooブログ「ある地方公務員の隠れ家」(since 2007/2/24)から移転しました。

【自己紹介】
・1964年 静岡県浜松市生まれ

【趣旨】
まちづくりと公共政策について考えます。
本ブログは私的なものであり、私の所属する組織の見解を反映するものではありません。

【論文等】
政策空間 2007年10月
複線型人事は新たなモチベーション創出への挑戦
政策空間 2009年2月
資源ベース理論による自治体人事戦略の構築

【連絡先】
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