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2010/07
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平成22年人事院勧告 No.8 勧告日
 2010年7月29日付けの官庁速報(電子版)からの情報によると、

 給料の改定率は昨年並みの▲0.2%前後(昨年は▲0.22%)

 50歳代後半の職員の給料特例措置の引き下げ率は、1~2%

 勧告日は、10日から13日の間で10日が有力だそうです。
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平成22年人事院勧告 No.7 朝令暮改
 2010年7月28日付けの官庁速報(電子版)によると、本年4月に施行された月60時間超の時間外勤務手当の割増率の関係で、1カ月間60時間の算定する場合、2011年度から日曜日を含めることになりそうです。

 労働基準法の改正がされない場合は、どうするのか迷うところですが、労基法は最低基準を示したものなので、労働者にとって有利な限りは問題ないといえるでしょう。実際、人事院が行っている民間給与実態調査の結果でも、多くの企業が60時間の算定に法定休日を含めているそうです。

 以前もブログで指摘しましたが、現行制度では、週休日の割増率は50%となりますが、日曜日は35%のままという逆転現象が起きているので、この点も是正されることになるのでしょうか。

 なお、現行25%となっている残業手当の割増率の引き上げは改定を見送る方針だそうです。これは民間企業の実施状況を調べた結果、労基法の努力義務に沿った引き上げはそれほど普及してなかったからだそうです。

 勧告日は8月第2週となる見通しとのことです。
平成22年人事院勧告 No.6 減額特例措置は55歳超
 平成22年7月26日付けの官庁速報に、高齢職員の給料の減額特例措置について、少し細かな情報がありました。

 減額特例措置の適用対象は「55歳超」で、これは、「今年度(平成22年度)中に56歳以上の誕生日を迎える職員」ということになるようです。

 また、適用の時期は本年4月ということのようです。この場合、すでに支給済みの給与との調整措置が必要になります。この調整措置を、従来どおり、期末手当で行うとすれば、改正給与条例は12月賞与の基準日である12月1日前に議決を要することになります。自治体によっては、11月に臨時議会を開催するか、あるいは11月中に先議議案とする必要があることになります。

 今回の官民較差是正は、主には減額特例措置で対応するものの、給料表と手当支給額の一部改正の組み合わせによる方法を検討しているそうです。そろそろ人事院が配偶者の扶養手当に食指を伸ばす時期かもしれません。
平成22年人事院勧告 No.5 賞与4カ月割れ
ボーナス、4カ月割れへ=国家公務員、47年ぶり低水準-人事院
2010/7/22 時事通信社
 人事院は22日、8月初旬に行う2010年の国家公務員給与改定勧告で、期末・勤勉手当(ボーナス)を現行の年間4.15カ月から引き下げる方針を固めた。月給も公務員の給与水準が民間をわずかに上回っているもようで、月給、ボーナスともに2年連続のマイナス改定となる公算だ。ただ、勧告でのマイナス幅は過去最大の0.35カ月の引き下げとした昨年よりは小さくなる。
 一方、月給は現時点ではマイナス0.22%とした昨年と同水準の引き下げを想定。
 また、今回は月給引き下げの方法として、50歳代後半の高齢層に特化した新たな減額特例措置を導入する方針。俸給表の月額は変えずに、一定率を掛けて減額する。(抄) 

◇最近の人事院勧告
             (▲はマイナス)
         月給      ボーナス
         (%)     (月)
 2000年   0.12    4.75 
   01年   0.08    4.70 
   02年  ▲2.03    4.65 
   03年  ▲1.07    4.40 
   04年  改定なし    4.40 
   05年  ▲0.36    4.45 
   06年  改定なし    4.45 
   07年   0.35    4.50 
   08年  改定なし    4.50 
   09年  ▲0.22    4.15 
(1963年   7.50    3.90 )
平成22年人事院勧告 No.4 病気休暇90日
国家公務員、病気休み扱いを統一 人事院
47News 2010/07/21
人事院は21日、病気で長期間休んでいる国家公務員について、原則90日まで病気休暇として扱い、超えた場合は病気休職とする方針を決めた。心の病などで休む職員が増えているため、内規などで定め任命権者の権限で措置を省庁ごとに決めていた現状を見直し、国の統一規定をつくるのが狙い。  人事院は年内にも規則を改正、これを受け総務省は地方自治体にも合わせるよう要請する。

 国では統一された制度ではなかったのですね。知りませんでした。人事院勧告の時期になると、いろいろな課題が次々と話題に上がって来ます。こうして、以前から問題視されていたことを課題として取り上げ、勧告なり、意見の申し出なりといった行動に出る、ということにより、人事院はその存在意義をアピールしているのかもしれませんね。
平成22年人事院勧告 No.3 非常勤職員にも育休
非常勤職員にも育休適用へ
asahi.com 2010/07/21
人事院は20日、各府省で事務補助などに従事する非常勤の国家公務員に対し、新たに育児休業や介護休暇の取得を認める方針を固めた。民間企業と同水準である、子どもが1歳に達するまでの育児休業と、3カ月間の介護休暇を適用する。今夏の給与改定勧告時に併せて、内閣や国会に国家公務員向けの育児休業法改正を求める。

 地方公務員の育児休業法も国にならって改正されることになるでしょう。その場合、地方公務員法第22条を根拠とする最長6カ月(任用更新1回)の任用期間である臨時職員の取り扱いはどうなるのでしょうか。同法第3条と第17条を根拠とする場合は、最初から1年の雇用契約が結べますから問題ないと思われますが。第22条を根拠とするものには、地方育児休業法の適用から除外にするのかもしれませんが、地方公務員法の何条を根拠にするにしても、いわゆる非常勤の職員に変わりはありません。国では地方における多様な実態にかんがみ、この点をどのような扱いにするのか、関心があります。
法律施行のプロに 県職員
方主権、法律施行のプロに 県職員、実務研修強化
2010/07/19 静岡新聞
 国から地方自治体への権限移譲など地方主権改革の進展を受け、県は本年度、職員が“法律施行のプロ”となるよう政策法務能力の向上に向けた施策を強化する。政策法務は法を政策実現のための手段ととらえ、県民生活の向上にどのような法律・条例づくりやその執行、評価が必要か検討し、実践する取り組み。既に職員の法務研修などを始め、30日には静岡市内で講演会を開く。

 さすが、静岡県。
 ちなみに、イギリスでは、法制執務の担当者と政策立案者は別の役割として、別々の専門分野として確立しているそうです。法令を解釈するときには、立法者の意図を掴もうとするときがありますが、イギリスのやり方の場合だと、立法者の意図と政策立案者の意図は必ずしも同じにならないような感じがします。イギリスはコモンローの国なので、その辺アバウトなのでしょうか(笑。
平成22年人事院勧告 No.2 マイナス勧告の方針固まる
50代後半の給与引き下げ 人事院勧告、2年連続減 
47News 2010/7/20
 人事院は20日、2010年度の国家公務員(一般職)給与に関する8月の勧告について、月給、ボーナス(期末・勤勉手当)ともにマイナスとする方針を固めた。同時引き下げは2年連続となる。

若年層の給料月額は据え置き、50代後半からは一定率を乗じて減額する特別措置を検討しているそうです。また、中間層は据え置くか減額するか調整が続けているそうです。こうした給料の官民格差を年齢層で傾斜配分する方式は、従来から取られていました。

 同記事にもありますが、国家公務員の場合は、55歳を過ぎた職員の天下りが抑制されるようになったため、当該職員の人件費圧縮という意図もあるでしょう。この年齢による特別措置については、労働組合にも既に非公式に提示しているそうです。

 先のエントリーでも述べましたが、高齢職員の給与の高止まりは、平成18年の給与構造改革の時点から自治体の給与担当者の間では問題視されていました。給与政策について、地方自治体は国家公務員に準拠することが求められますが、それも程度の問題であり、これからは、国家公務員の給与制度の枠を超えない範囲内で、自治体が自ら考え給与政策を決定し、人件費の職員間における配分のあり方を生み出す時代が来たと言えるでしょう。平成18年の給与構造改革で現給保障をするのは制度設計上、やむを得ないこととは思います。しかし、その当時はまだ民間準拠という考え方が強く、民間の給与実態調査の結果により、その水準や制度が客観的に決まってくる、というような発想があったと思います。そういう考えのうちは、人件費を行政組織のコストとして捉える意識は弱かったのではないでしょうか。
平成22年人事院勧告 55歳以上下げ幅大に
人事院:公務員給与、傾斜配分検討 55歳以上下げ幅大に
毎日新聞 2010年7月14日 15時00分
人事院が国家公務員の給与水準に関して8月に行う勧告で、引き下げ幅を55歳以上でより大きくし、30歳代以下で小さくする傾斜配分方式の導入を検討していることが14日、分かった。ベテラン公務員の給与が民間企業の同年代の社員を上回っている実態を踏まえた措置。省庁のあっせんによる天下りの禁止で滞留する公務員に自発的な退職を促す狙いもありそうだ。

 人事院は昨年の勧告で月給を0.22%引き下げるよう求めた。今年も引き下げ勧告になる見通しだが、傾斜配分方式にすることで、ベテランへの退職勧奨に加え、新卒者の「公務員離れ」を抑制する効果も期待している。

 ただ、導入には困難も予想される。傾斜配分方式にしても、全体を一律に引き下げた場合と総人件費は変わらない。政府は公務員制度改革でみんなの党との連携を模索しているが、同党は「公務員給与の2割カット」を掲げていることから隔たりは大きく、より抜本的な給与体系の見直しを迫られるのは必至とみられる。

 平成18年の給与構造改革の時から、給与担当者の間では、公務員の世代間における「給与格差」を懸念する声がありました。また、それを是正する方法として、この給料表の傾斜配分方式は一つの案として提案されてもいました。

 つまり、給与構造改革により給料表の構造が変わり、給与カーブがフラットになり、また、枠外昇給も廃止され、若い世代は昇格しない限り給料は頭打ちになったのです。しかし、経過措置により、後者については現給が保障がされ、同じ級にいても高齢世代は給与カーブがフラット化される前の高い給料を受給しています。また、給料表の構造が変わったことにより、給料表の水準自体が下げられました。これによる現給も保障されていますので、高齢職員は、それより若い世代の職員が到達しえない、言い換えれば、構造改革後の給料表には存在しない高い水準の給料月額を受給しているのです。

 給与構造改革の結果、給料表の水準が下がり、給与カーブがフラット化したことにより、単純に考えても、高齢職員の生涯賃金と若手職員のそれとの間には「格差」が生じることになります。この格差には例外もあるでしょうが、例外が生じるとすれば、その若手職員が例外的に早く昇格して、少しでも長い期間、少しでも高い水準の級に在級すること以外は想定できません。

 公務員の人件費改革は、定数管理という形で行われています。これは、公務員はクビにはできないので、定年退職による職員数の自然減に対して、新規採用を抑制することにより実現されます。しかし、これからの給与政策は、定数管理ではなく、文字通り「総人件費管理」になっていくだろうと想定されます。

 総人件費管理によれば、人件費の総枠が決定しており、それを職員間でどのように配分するか、という給与政策により具体化されます。能力主義とか実績主義として10年程度前に持て囃された「人事考課制度」による査定昇給等もこうした総人件費管理の必要から生じた給与政策の一つといえます。しかし、いわゆる人事考課と給与とを結びつける人事給与政策は失敗しました。

 次に考えられるのは、年齢層ごとの傾斜配分になります。総人件費改革は、指定管理者制度などを活用した行政の外部化により名目上の人件費を下げることによるよりも、公務員の給与水準のあり方自体を問うようになってきているといえます。そして、給与構造改革による職員の世代間に生じた「給与格差」を是正する、という意味でも傾斜配分は合理的です。

 ただ、これにも問題があります。国は一律にこれを行うことができますが、合併した自治体の一部では、以前読売新聞の記事で問題とされたワタリにより、給料が高止まりしている高齢職員が存在するからです。高い級から順に削減率を高く設定して傾斜配分していくこともできますが、これから昇格していく若手職員は、せっかく高い級に到達しても、結局は低い水準の給料を受けることになります。ただし、これは相対的な話であります。

 したがって、こうした点に配慮した場合における方法としては、「年齢」により傾斜配分を定める方法があります。いずれにせよ、人事院が「ベテラン公務員の給与が民間企業の同年代の社員を上回っている実態」というのは、軽率な一般化であり、傾斜配分の理由付けとする言い訳という印象があります。なぜなら、民間企業においては、若いころの給与水準が公務員より高い、という一面もあるからです。業種にもよりますが、民間では若い頃から高い給料をもらい、55歳で役職定年となり、その後60歳の定年までは給与水準が著しく下がるという例もあるからです。

 もちろん、傾斜配分には合理的な面もあります。それは職能資格制に対する反省としての面です。つまり、年齢とともに昇格し、ポストがなく、また特別な職能を求めることなく給与水準のアップを保障したこれまでの運用の行き詰まりです。この職能資格制度が働く人のモチベーションを維持向上させることに役立った、というか考え方に対して私は懐疑的です。なぜなら、賃金は衛星要因であると考えているからです。

 また、公務員の場合、クビになることがなく終身雇用制が保障されています。それが当然のこととして受け取り、有り難味がなくなっています。雇用を保障されていることに有り難味を感じ、公務に忠誠を抱いている職員などいるとは思えません。それと同じで、定期昇給や、定期昇格も制度として運用される限り、人はそれを「当然の権利」と捉え、逆にそれがなくなると不満を覚えるものではないでしょうか。

 団塊世代の弊害として、若い世代の昇格の遅れが指摘されています。職能資格制による定期的な昇格においても、これが遅らせることにより、キャリアプラトーという現象が生じたわけです。この昇格の遅れの結果として、高い給料水準に到達するのも遅れることから、生涯賃金が相対的に低くなることになります。こうした面の是正策としても、傾斜配分という人事院が取り組もうとしている給与政策には合理性があるのではないでしょうか。

 実際には、多くの自治体においては、給料表を人事院勧告に則って改正するだけであるでしょうが、各自治体が実際に運用されている給与政策の中で以上のことを議論するとしたら、その自治体における「高齢職員」と「若手職員」を明確に定義する必要があります。
プロフィール

きんた

Author:きんた
Yahooブログ「ある地方公務員の隠れ家」(since 2007/2/24)から移転しました。

【自己紹介】
・1964年 静岡県浜松市生まれ

【趣旨】
まちづくりと公共政策について考えます。
本ブログは私的なものであり、私の所属する組織の見解を反映するものではありません。

【論文等】
政策空間 2007年10月
複線型人事は新たなモチベーション創出への挑戦
政策空間 2009年2月
資源ベース理論による自治体人事戦略の構築

【連絡先】
下のメールフォームからお願いします。

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