昇格選考のフィルター
2008-09-25(Thu)
誰を昇格させようかを検討する場合、選考の基準はいくつかあります。
第一段階として、対象者の抽出から始めますが、これにも基準があります。最も一般的なものは、「学歴」ごとの「勤続年数」です。例えば、ヒラ職員から最初の昇格として「主任」の選考対象者を抽出する場合、高卒ならば勤続10年、大卒ならば勤続6年、といった基準を設けます。
「学歴」と「勤続年数」は年功序列主義の最たるものです。この是非は別にして、成果や実績の明確でない公務組織においては人事考課の評価と並んで、経歴の検証は非常に難しい課題です。
昇格選考は具体的にどのように行われるのでしょうか。
行政組織における一般的な手法は、「演繹法」により行われます。つまり、昇格対象職位(この場合は「主任」)に必要とされる職能の最も確からしい保有者を選ぶわけです。この前提として「主任」に求められる職能が明確化されていないといけません。
帰納法は、昇進前の経歴等についてすべてを集めて、そのデキを検証し、その結果から結論を導く方法で、非常に手間がかかります。
演繹法では、いくつかの仮説を立て、その仮説に基づき判断した結果から結論を得ようという方法です。演繹法で用いられる「仮説」は、常識的な当たり前に思われるような事です。それ故に仮説の妥当性の検証も一般的にはされていないと思います。この「仮説」が昇格選考のフィルターと私が呼ぶものです。
当たり前で当然な基準ですが、選考に当たっては、当たり前のことを手間をかけてキッチリと行わなければなりません。その際重要なのは、序列法、要素比較法、点数法など比較方法についてよく検討した上で、バイアスを掛けず客観的に行うことです。
例えば、Aさんが選考対象者だとすると、人事課はAさんの経歴を調べ、昇格対象職位に近い経験をしているかしていないか、経験しているのならば、どれくらいの親近度があるのかを検証します。この場合、言うまでもないことですが、どの部署でどの業務を担当したかが重要です。
第2のフィルター以降は、次回にします。
(参考文献)
浜野美雄「配置・昇進」(帝国地方行政学会)
第一段階として、対象者の抽出から始めますが、これにも基準があります。最も一般的なものは、「学歴」ごとの「勤続年数」です。例えば、ヒラ職員から最初の昇格として「主任」の選考対象者を抽出する場合、高卒ならば勤続10年、大卒ならば勤続6年、といった基準を設けます。
「学歴」と「勤続年数」は年功序列主義の最たるものです。この是非は別にして、成果や実績の明確でない公務組織においては人事考課の評価と並んで、経歴の検証は非常に難しい課題です。
昇格選考は具体的にどのように行われるのでしょうか。
行政組織における一般的な手法は、「演繹法」により行われます。つまり、昇格対象職位(この場合は「主任」)に必要とされる職能の最も確からしい保有者を選ぶわけです。この前提として「主任」に求められる職能が明確化されていないといけません。
帰納法は、昇進前の経歴等についてすべてを集めて、そのデキを検証し、その結果から結論を導く方法で、非常に手間がかかります。
演繹法では、いくつかの仮説を立て、その仮説に基づき判断した結果から結論を得ようという方法です。演繹法で用いられる「仮説」は、常識的な当たり前に思われるような事です。それ故に仮説の妥当性の検証も一般的にはされていないと思います。この「仮説」が昇格選考のフィルターと私が呼ぶものです。
(第1のフィルター)
昇格対象職位の職務に対して、親近度の高い経験は低い経験に優る
昇格対象職位の職務に対して、親近度の高い経験は低い経験に優る
当たり前で当然な基準ですが、選考に当たっては、当たり前のことを手間をかけてキッチリと行わなければなりません。その際重要なのは、序列法、要素比較法、点数法など比較方法についてよく検討した上で、バイアスを掛けず客観的に行うことです。
例えば、Aさんが選考対象者だとすると、人事課はAさんの経歴を調べ、昇格対象職位に近い経験をしているかしていないか、経験しているのならば、どれくらいの親近度があるのかを検証します。この場合、言うまでもないことですが、どの部署でどの業務を担当したかが重要です。
第2のフィルター以降は、次回にします。
(参考文献)
浜野美雄「配置・昇進」(帝国地方行政学会)
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