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昇格選考のフィルター 3
第6のフィルターは、
新しい経験は古い経験より有用である

 異動により若いときに配属されていた部署に戻ることがあります。これは、教育異動期間といわれる採用後10年間を経過後に、適性を判断された上で起こりえることです。こうした異動はあくまで適性をみた配置であり、「前にいたから、その時の知識が役に立つ」という安易な考えによる配置ではありません。同じ部署に同じ立場で配属になっても、当該職員の経歴(キャリア)にとってプラスになることは少ないと思います。いずれにせよ、古い知識は役に立たないばかりか、本人が忘れているものです。


第7のフィルターは、
責任の重い業務の経歴は、軽い業務の経歴より有用である

 このフィルターは、昇格管理を行う上で難しい一面を有しています。例えば、広範な領域における管理経験を持った職員は、組織上は高位であっても単純な繰り返し作業の部署における管理には適格であるとは限りません。理想は、職員の経歴がそうした職務上の経験を段階的に踏んで来ていることです。

第8のフィルターは、
進歩性のある経歴は、その程度の低い経歴より有用である

 これは第7のフィルターとも関連しますが、段階的に職務の責任と複雑性が増加した人の経歴は、それが減少した経歴よりも有用であるという意味です。参考文献には、理由は述べられていませんが、「経歴を実際に評価する場合、適用するにはなかなか問題が多い仮説である」としています。私はこの仮説(フィルター)の問題は、仮説自体の妥当性ではなく、職員の経歴が当該職員の能動的な意思により形成されるものではないので、公平性の点で問題があるのだと考えます。

 こうした仮説(フィルター)に基づく検証は、配属先の経歴や担当事務分掌、人事考課の結果などの人事記録のほか各配属先で誰と一緒に仕事をしたか、というところにまで及びます。

 以上、演繹法で昇格者を選考する場合について、今では古いと思われるような古典的な仮説を含めて紹介しました。これらのフィルター自体の仮説としての有効性は個々の判断に任せます。人事課へ配属された職員は、最初は「職」の理解から始め、最終的には自分なりのこうした仮説を持つようになります。人事担当者の「人」の理解は、基本的にライン管理職からの情報によるところが大です。「人」の理解に対する人事担当者の視界の広さは、組織規模に反比例します。

(参考文献)
浜野美雄「配置・昇進」(帝国地方行政学会)

(参考)
鷺板由紀子他「昇格選考における論文評定の分析:多変量一般化可能性理論を用いた信頼性の検討」(PDF)
江口克彦「平均的大企業の平均的人事規定」(公務員制度の総合的な改革に関する懇談会(第5回)資料1 委員提出資料)(PDF)
三鷹市「異動・昇任昇格
三鷹市「人財育成に貢献する諸制度
宝塚市「宝市職員昇格審査委員会規程
宇津木誠「企業の昇進昇格制度と人事評価の現状と問題点」(PDF)
寺畑正英「人事考課における客観的評価と昇進・昇格システム」(PDF)
上原克仁「大手企業における昇進・昇格と異動の実証分析」(PDF)
丸山悠司「研究開発管理の問題点 : 資格構成と昇格評価の方法」(PDF)
みずほ総合研究所「みずほリポート(2008/8/20)」(PDF)
島貫智行「人材マネジメントの分権化と組織パフォーマンス」(PDF)
W.A.スピンクス「シンプル評価主義への提案」(PDF)
安田均「富士通新人事制度における成果主義と能力主義」(PDF)
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プロフィール

きんた

Author:きんた
Yahooブログ「ある地方公務員の隠れ家」(since 2007/2/24)から移転しました。

【自己紹介】
・1964年 静岡県浜松市生まれ

【趣旨】
まちづくりと公共政策について考えます。
本ブログは私的なものであり、私の所属する組織の見解を反映するものではありません。

【論文等】
政策空間 2007年10月
複線型人事は新たなモチベーション創出への挑戦
政策空間 2009年2月
資源ベース理論による自治体人事戦略の構築

【連絡先】
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