人事評価の活用等に関する研究会 3
2008-10-21(Tue)
平成20年9月8日(月)に行われた「地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会(第3回)」の議事要旨と資料が総務省のサイトに公開されています。
会議中、「活用の重点について」の中で、
私の認識では、地方自治体が目標管理制度や能力考課(又はコンピテンシー)を二本柱とする人事考課制度を導入した背景は、民間での導入が進んだ結果だと考えています。民間では能力主義、実績主義あるいは成果主義と、使う言葉こそ違えど人件費の抑制のため、給与原資の適正配分といったもっともらしい大義名分の下に導入したと考えています。また、その論理的な帰結として昇進昇格に考課結果を反映するというものであったと認識しています。
今から40年以上前に出版された行政機関の人事制度に関する文献にも目標管理や能力考課を核とした「人事考課制度」に関する理論を発見することがあります。したがって、人事考課制度は自治体ではここ10~15年くらいの間に流行り導入されましたが、決して新しいモノではありません。
自治体職員の間では、人事評価において、私の重視する「政策立案能力」は評価の対象ではなかったと言えます。昇進選考の際に行われるのは、技術や能力の評価ではなく単なる「人物評価」だと言っても良いでしょう。例えば、ヒラ職員から係長へ、係長から課長へ昇任されるのに必要な技術や能力は何かを職員に具体的に明示している自治体がどれだけあるでしょうか。結局、何となく「デキる」人として衆目の一致する人が昇進するのですが、「デキる」人の尺度は明確ではありません。
国では、政策である法律等の本数で、政策立案能力の一面を評価できるのかもしれませんが、自治体では、係長クラスでも例規に関わる職員ばかりではありません。
こうした漠然とした昇進の運用は、人材の調達を内部からの登用に依存する人事の閉鎖システムを採る組織では官民を問わずあるところです。
分限処分の運用や人事評価における査定において、評価基準を突き詰めて考えていくうちに、こうした能力面、技術面における具体的な指標に何らかの答えが得られるのではないかと期待しています。例えば、国においてキャリア官僚は、早い異動と速い昇進の過程でゼネラリストとして、また幹部として育成されていきますが、行政組織における幹部職員として必要とされる資質や能力、技術といったものが科学的に説明できれば、幹部養成は今まで以上に容易に、かつ、短期間でできるのではないかと考えます。
私は人事考課制度を給与面に反映させることには消極的ですが、以上の点で当該制度が活用されることについては、大いに賛成です。人材育成とは、職員があるべき姿になっていくことであり、そのあるべき姿は多様でよく、その評価メニューも多様であるべきです。そこに至る過程では、まず、職員のあるべき姿を一つでも良いから具体的な姿で、その行動、能力、技術といった面で指標を示すことだと思います。これにより、先に考察した「昇格選考のフィルター」における各検証が、今まで以上に科学的かつ合理的に行えるのではないでしょうか。
研究会資料(PDF)
資料1 評価結果の活用について
資料2 地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会(第3回)検討資料
資料3 地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会(第3回)検討資料(論点メモ)
会議中、「活用の重点について」の中で、
以前は人事評価に対して抵抗感が大きく、人材育成のみのために人事評価を実施すると言わないと導入自体が困難な雰囲気が現場にあった。今はマネジメントの点で人事評価の必要性が高まるなど状況も異なっていることから、人材育成に加えて任用管理、給与上の処遇を加えて、広義の人材育成のために人事評価を実施していくことを強調していくべきではないか。
とされています。私の認識では、地方自治体が目標管理制度や能力考課(又はコンピテンシー)を二本柱とする人事考課制度を導入した背景は、民間での導入が進んだ結果だと考えています。民間では能力主義、実績主義あるいは成果主義と、使う言葉こそ違えど人件費の抑制のため、給与原資の適正配分といったもっともらしい大義名分の下に導入したと考えています。また、その論理的な帰結として昇進昇格に考課結果を反映するというものであったと認識しています。
今から40年以上前に出版された行政機関の人事制度に関する文献にも目標管理や能力考課を核とした「人事考課制度」に関する理論を発見することがあります。したがって、人事考課制度は自治体ではここ10~15年くらいの間に流行り導入されましたが、決して新しいモノではありません。
自治体職員の間では、人事評価において、私の重視する「政策立案能力」は評価の対象ではなかったと言えます。昇進選考の際に行われるのは、技術や能力の評価ではなく単なる「人物評価」だと言っても良いでしょう。例えば、ヒラ職員から係長へ、係長から課長へ昇任されるのに必要な技術や能力は何かを職員に具体的に明示している自治体がどれだけあるでしょうか。結局、何となく「デキる」人として衆目の一致する人が昇進するのですが、「デキる」人の尺度は明確ではありません。
国では、政策である法律等の本数で、政策立案能力の一面を評価できるのかもしれませんが、自治体では、係長クラスでも例規に関わる職員ばかりではありません。
こうした漠然とした昇進の運用は、人材の調達を内部からの登用に依存する人事の閉鎖システムを採る組織では官民を問わずあるところです。
分限処分の運用や人事評価における査定において、評価基準を突き詰めて考えていくうちに、こうした能力面、技術面における具体的な指標に何らかの答えが得られるのではないかと期待しています。例えば、国においてキャリア官僚は、早い異動と速い昇進の過程でゼネラリストとして、また幹部として育成されていきますが、行政組織における幹部職員として必要とされる資質や能力、技術といったものが科学的に説明できれば、幹部養成は今まで以上に容易に、かつ、短期間でできるのではないかと考えます。
私は人事考課制度を給与面に反映させることには消極的ですが、以上の点で当該制度が活用されることについては、大いに賛成です。人材育成とは、職員があるべき姿になっていくことであり、そのあるべき姿は多様でよく、その評価メニューも多様であるべきです。そこに至る過程では、まず、職員のあるべき姿を一つでも良いから具体的な姿で、その行動、能力、技術といった面で指標を示すことだと思います。これにより、先に考察した「昇格選考のフィルター」における各検証が、今まで以上に科学的かつ合理的に行えるのではないでしょうか。
研究会資料(PDF)
資料1 評価結果の活用について
資料2 地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会(第3回)検討資料
資料3 地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会(第3回)検討資料(論点メモ)
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