県職員の研修派遣めぐる訴訟
2008-03-01(Sat)
県職員のSO研修派遣めぐる訴訟、原告の請求を棄却
信濃毎日新聞 2月29日(金)
職員派遣は、今から10年くらい前に、インター設置などのための手法として活用された第3セクターへの派遣で問題になりました。
その結果、「公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」ができ、自治体では「公益法人等への職員の派遣等に関する条例」が制定されました。
一般的に、同法第6条第1項により、これに基づく派遣には給与は支給されませんが、場合によっては、給与が支給できることが同条第2項に規定されています。
同法の国会での審議の中でも、この第2項の意味については議論されています。
これについて、国会では、同法を運用する自治体の判断である旨の回答がされていますが、給与を支給するとした場合、実際として説明が難しいと思います。
長野県の場合は、同法との関係ではなく、地方公務員法上の職務専念義務について争われたようですが、この派遣が違法とされなかったのは、
確かに、県側の主張のとおり、こうした派遣が職員にとって研修効果があり、職務として行うことも人材育成の一環として有用であろうかと思います。
同法によるものに限らず、派遣研修の内容を検討する際は、第3セクターで問題とされた点の議論を振り返る必要があるでしょう。
信濃毎日新聞 2月29日(金)
2005年に長野市で開いたスペシャルオリンピックス(SO)冬季世界大会の運営組織SONAなどに、県が職員を研修派遣したのは、職務専念義務を定めた地方公務員法に違反するなどとして、職員給与など合計約4億2000万円余を田中康夫前知事とSONAなどに返還させるよう県に求めた二つの訴訟の判決で、長野地裁は29日、原告の訴えを退けた。
職員派遣は、今から10年くらい前に、インター設置などのための手法として活用された第3セクターへの派遣で問題になりました。
その結果、「公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」ができ、自治体では「公益法人等への職員の派遣等に関する条例」が制定されました。
一般的に、同法第6条第1項により、これに基づく派遣には給与は支給されませんが、場合によっては、給与が支給できることが同条第2項に規定されています。
同法の国会での審議の中でも、この第2項の意味については議論されています。
これについて、国会では、同法を運用する自治体の判断である旨の回答がされていますが、給与を支給するとした場合、実際として説明が難しいと思います。
長野県の場合は、同法との関係ではなく、地方公務員法上の職務専念義務について争われたようですが、この派遣が違法とされなかったのは、
田中前知事が大会事務局などから依頼があった人的支援に協力する趣旨の発言をしたことから「人的支援の意味合いがないとはいえないのは確か」としたが、「短期派遣者も単なる支援要員ではなく認識の程度の差はあるものの研修や勉強の機会としてとらえていた」
と認定されたからですが、裁判所が「研修や勉強の機会」と認定した論拠について、判決書に目を通してみたいと思います。確かに、県側の主張のとおり、こうした派遣が職員にとって研修効果があり、職務として行うことも人材育成の一環として有用であろうかと思います。
同法によるものに限らず、派遣研修の内容を検討する際は、第3セクターで問題とされた点の議論を振り返る必要があるでしょう。
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