「手当増めぐり紛糾」広島県議会
2008-12-28(Sun)
以前、広島市議会において時短条例が否決されたことに関する記事「広島市職員の時短条例案否決」を書きましたが、その記事に関して、岡本全勝氏にそそのかされてブログを実名にした重徳和彦氏に紹介して頂いた広島県職員のM氏から情報提供という形でフォローを頂きましたので紹介します。
平成20年12月17日 中国新聞
「手当増めぐり紛糾」県議会「県民理解得られぬ」
記事によると、本会議の開催が1時間半遅れることとなった理由は、本会議に先立つ議会運営委員会の理事会で、約5億9000万円に上る地域手当の増額などに反対する自民党議員下位(15人)や自民党広誠会(5人)が本会議での反対討論を要求。「知事与党」を形成する自民刷新会議(16人)や民主県政会(15人)などとの間で調整が難航したからだそうです。
時短に関する議論で思うところがあります。
今から何年も前のことになりますが、労基法で週40時間制が規定された際には、行政が民間を先導する形で同制度が導入されました。今では、民間が行政の勤務時間に比し、15分短いものになっているようです。
時短条例が否決された広島市では、市長が同条例を再提案する意向であることが既に公になっています。
給与にせよ、勤務時間にせよ、どの時点で、どのような基準に基づき得られた民間企業の勤務条件と同期させるかは現行の人事院勧告制度が基本となっており、これを勘案しない理論的な反論は非常に困難であるというのが私の見解です。
折りしも、政府では公務員の労働基本権について議論されています。今のところ、私にはここまで踏み込んで議論する勇気はありません。
なお、この論点とは少し見方は異なるものの、財務省は総務省の公務員給与の官民比較方法について、ラスパイレス指数に拠らない方法等を提言しています。
(参考)
財務省「財政制度等審議会 財政制度分科会 財政構造改革部会」平成19年10月26日
佐賀県知事「財務省調査「地方公務員給与が民間より21%高い」に対する反論」(PDF)
拙ブログ「給与水準の比較方法」2007/10/29
平成20年12月17日 中国新聞
「手当増めぐり紛糾」県議会「県民理解得られぬ」
県議会定例会は16日、県人事委員会の勧告に基づいて県警、県教委を含む職員の地域手当を引き上げるための補正予算案や条例改正案などへの賛否をめぐって空転し、本会議の開催が一時間半ずれこんだ。最終的に可決したものの、景気や雇用情勢の悪化が深刻さを増す中で「県民の理解は得られない」との批判が相次いだ。
(中略)
県は来年2月の定例会に、勧告に沿って勤務時間を15分縮める条例改正案を提案する方針。実質的に3%程度の労働単価の引き上げとなるだけに、一部会派は早くも「県民感情とはかけ離れている」と反発を強めている。(加納優)
(中略)
県は来年2月の定例会に、勧告に沿って勤務時間を15分縮める条例改正案を提案する方針。実質的に3%程度の労働単価の引き上げとなるだけに、一部会派は早くも「県民感情とはかけ離れている」と反発を強めている。(加納優)
記事によると、本会議の開催が1時間半遅れることとなった理由は、本会議に先立つ議会運営委員会の理事会で、約5億9000万円に上る地域手当の増額などに反対する自民党議員下位(15人)や自民党広誠会(5人)が本会議での反対討論を要求。「知事与党」を形成する自民刷新会議(16人)や民主県政会(15人)などとの間で調整が難航したからだそうです。
時短に関する議論で思うところがあります。
今から何年も前のことになりますが、労基法で週40時間制が規定された際には、行政が民間を先導する形で同制度が導入されました。今では、民間が行政の勤務時間に比し、15分短いものになっているようです。
時短条例が否決された広島市では、市長が同条例を再提案する意向であることが既に公になっています。
給与にせよ、勤務時間にせよ、どの時点で、どのような基準に基づき得られた民間企業の勤務条件と同期させるかは現行の人事院勧告制度が基本となっており、これを勘案しない理論的な反論は非常に困難であるというのが私の見解です。
折りしも、政府では公務員の労働基本権について議論されています。今のところ、私にはここまで踏み込んで議論する勇気はありません。
なお、この論点とは少し見方は異なるものの、財務省は総務省の公務員給与の官民比較方法について、ラスパイレス指数に拠らない方法等を提言しています。
(参考)
財務省「財政制度等審議会 財政制度分科会 財政構造改革部会」平成19年10月26日
佐賀県知事「財務省調査「地方公務員給与が民間より21%高い」に対する反論」(PDF)
拙ブログ「給与水準の比較方法」2007/10/29
地方公務員も勤務時間短縮しなさい 総務省が自治体に通知
MSN産経ニュース 2008.12.25 23:54
nikkei.net 2007年07月23日
やっぱり地方公務員の給与は高い 財務省の提出資料で
MSN 産経ニュース 2007.10.26 20:23
MSN産経ニュース 2008.12.25 23:54
総務省は25日、平成20年の人事院勧告に基づき、国家公務員の勤務時間を現行の1日8時間から15分短縮し7時間45分とするのに伴い、地方公務員の勤務時間も同様にするよう各都道府県と政令指定都市に通知した。
総務省の4月1日現在のまとめでは、自治体の勤務時間は、10政令指定都市と199市町村が7時間45分、2市町が7時間50分、大阪府吹田市が7時間30分としているほかは、すべて8時間となっている。
また国がすでに廃止している15~30分の有給の休息時間について、4月1日現在で廃止時期を未定としている268市区町村に対し早急な対応を求めた。
総務省の4月1日現在のまとめでは、自治体の勤務時間は、10政令指定都市と199市町村が7時間45分、2市町が7時間50分、大阪府吹田市が7時間30分としているほかは、すべて8時間となっている。
また国がすでに廃止している15~30分の有給の休息時間について、4月1日現在で廃止時期を未定としている268市区町村に対し早急な対応を求めた。
nikkei.net 2007年07月23日
財務省は国・地方の公務員給与を比較するための新指数の策定に向け、各都道府県に協力を要請する。国家公務員の給与を100とした場合に地方がどの程度かを示す「ラスパイレス指数」の改定版。地方公務員人件費の改革を本格化するためにも、各都道府県からのデータの提供が必要と判断した。
同省は地方公務員の人件費改革の実現のため、国と地方の公務員給与を比較する新たな指数づくりに着手。公務員の年齢や学歴ではなく、課長職や部長職といった「ポスト」に着目し、同等のポストの国家公務員の給与と比較しているのが特徴。市町村でのサンプル調査では、地方公務員の給与が国家公務員の給与に比べ「17%高い」との結果が出ており、都道府県まで調査対象を広げてさらに精度を上げる。
同省は地方公務員の人件費改革の実現のため、国と地方の公務員給与を比較する新たな指数づくりに着手。公務員の年齢や学歴ではなく、課長職や部長職といった「ポスト」に着目し、同等のポストの国家公務員の給与と比較しているのが特徴。市町村でのサンプル調査では、地方公務員の給与が国家公務員の給与に比べ「17%高い」との結果が出ており、都道府県まで調査対象を広げてさらに精度を上げる。
やっぱり地方公務員の給与は高い 財務省の提出資料で
MSN 産経ニュース 2007.10.26 20:23
全国の都道府県と政令指定都市に勤務する地方公務員が国家公務員よりも平均で10%以上高い給与をもらっていることが26日、財務省が財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に提出した資料から明らかになった。地方財政の悪化が指摘される一方で、人件費の削減にメスを入れない自治体が多く、地方の改革意識が問われそうだ。
財務省の新指数は、国家公務員の給与を100とした場合に地方がどの程度かを示す総務省の指数を見直したもの。比較条件に従来の「年齢」「学歴」だけでなく、課長職や部長職など「ポスト」の要素も加え、国・地方の公務員同士の給与を比較した。
昨年4月1日時点では、都道府県・政令市の平均は111.5。都道府県は平均108.7だった。最高は京都府の120.5で最低は北海道の98.8。政令市の平均は120.5と全市で国の水準を上回った。
これに対し、総務省がこれまで示してきた指数では、都道府県の平均は99.5。政令市では100.0と国家公務員と同じか低い水準。「地方の水準が高い」と主張する財務省に対し、地方自治体を所管する総務省が「国と変わらない」と反論する論拠になっていた。データを提示された財政審の会合では、委員から「(データの)分析結果を生かし、しっかりと政策提案すべきだ」との意見が上がった。
政府は国家公務員給与の引き上げを求めた平成19年度の人事院勧告の完全実施を10年ぶりに見送る方向だ。地方公務員の給与も勧告に連動する仕組みになっている。総務省は「民間と比較すれば給与水準の高い職種もある。国の判断を何でも押し付けられてはたまったものではない」と不満をあらわにする。
財務省は「地方公務員の給与は引き下げ余地がまだある」とみており、新指数を突破口に地方自治体に対して、給与水準の改善を迫る構えだ。
財務省の新指数は、国家公務員の給与を100とした場合に地方がどの程度かを示す総務省の指数を見直したもの。比較条件に従来の「年齢」「学歴」だけでなく、課長職や部長職など「ポスト」の要素も加え、国・地方の公務員同士の給与を比較した。
昨年4月1日時点では、都道府県・政令市の平均は111.5。都道府県は平均108.7だった。最高は京都府の120.5で最低は北海道の98.8。政令市の平均は120.5と全市で国の水準を上回った。
これに対し、総務省がこれまで示してきた指数では、都道府県の平均は99.5。政令市では100.0と国家公務員と同じか低い水準。「地方の水準が高い」と主張する財務省に対し、地方自治体を所管する総務省が「国と変わらない」と反論する論拠になっていた。データを提示された財政審の会合では、委員から「(データの)分析結果を生かし、しっかりと政策提案すべきだ」との意見が上がった。
政府は国家公務員給与の引き上げを求めた平成19年度の人事院勧告の完全実施を10年ぶりに見送る方向だ。地方公務員の給与も勧告に連動する仕組みになっている。総務省は「民間と比較すれば給与水準の高い職種もある。国の判断を何でも押し付けられてはたまったものではない」と不満をあらわにする。
財務省は「地方公務員の給与は引き下げ余地がまだある」とみており、新指数を突破口に地方自治体に対して、給与水準の改善を迫る構えだ。
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