ブログ市長の人事
2009-04-06(Mon)

写真は「Plumerian cafe -365photo-」から
「一面のピンク色♪紅吉野桜」 by nanami
【ブログ市長】異動の職員9人が格下げ理由の文書交付請求
MSN産経ニュース 2009.4.2 20:18
鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が1日付の人事で10人の職員を課長級から課長補佐級に格下げするなどした問題で、うち9人が2日、地方公務員法で定められている降格理由の文書交付を市長に請求した。
竹原市長は「適材適所の人事異動をしただけなので、文書を交付する理由がない。どの仕事も市民にとって必要で、そもそも仕事に格をつけることが間違っている」としている。
地方公務員法は、請求を受けた市長は15日以内に異動理由を書いた文書を交付しなければならないと規定。市長が応じなかったり理由に納得できなかったりした場合、職員は市公平委員会に不服申し立てができる。
竹原市長は「適材適所の人事異動をしただけなので、文書を交付する理由がない。どの仕事も市民にとって必要で、そもそも仕事に格をつけることが間違っている」としている。
地方公務員法は、請求を受けた市長は15日以内に異動理由を書いた文書を交付しなければならないと規定。市長が応じなかったり理由に納得できなかったりした場合、職員は市公平委員会に不服申し立てができる。
美しい桜咲く季節に、公務員の世界では、はしたない人事のことが陰に陽に話題となります。
西日本新聞は、この記事に関する職員側の声を伝えています。
降格職員が説明書請求 阿久根市人事 市長は拒否の意向
2009/04/03付 西日本新聞朝刊
竹原市長は「適材適所の人事を行っただけで処分ではなく、説明書を出す必要はない」と語り、3日にも総務課長が不交付を伝えるという。請求した職員の1人は「こういう手法を許してはいけない」と話している。
阿久根市の「阿久根市職員初任給,昇格,昇給等の基準に関する規則」第3条を見ると、課長級から課長補佐級への異動は、給料表の7級(又は6級)から5級へ降格することのようです。市長は「適材適所の人事異動をしただけ」としているのは、これは分限処分としての降任ではなく、職員の意に反する不利益処分ではない、という認識であることを言っているようです。
「阿久根市職員の分限に関する手続及び効果に関する条例」の第2条(降任,免職及び休職の手続)の第2項にも、職員の意に反する降任若しくは免職又は休職の処分は,その旨を記載した書面を当該職員に交付して行わなければならない、とされていますから、市長が「適材適所」と言っても、職員の意に反するものであれば、職員の説明書の請求は意味のあることです。
市長は「どの仕事も市民にとって必要で、そもそも仕事に格をつけることが間違っている」とされています。前段は分かりますが、後段は記事の中からだけでは意味が分かりません。つまり同じ「仕事」という言葉でも、前段と後段とでは「仕事」の意味が違います。後段における「仕事」という用語は、組織内における「役割」という意味で使われています。市長のおっしゃる「適材適所」と組織における課長級と課長補佐級の関係については、職員の請求に基づき説明する必要があるでしょう。
また、議会事務局職員の異動についても、実際には市長がイニシアティブをとって議長と協議しながら人事権を行使しているわけですが、県の指摘を待つまでもなく、議長不在でこれを行うのは適切とはいえません。
【ブログ市長】任免権ない職員の異動強行
MSN産経ニュース 2009.4.2 18:33
ブログ問題で物議を醸している鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が1日付の人事異動で、市議会議長が任免権を持つ議会事務局の職員を異動させていたことが2日、分かった。
同市では市議選直後で議長が不在。市側から異動の可否について事前に相談を受けた県が「議長がおらず人事はできない」と助言していたが、市長が強行した。
いずれにせよ、任命権者に広く裁量が認められていることであったとしても、その実施に当たっては、法令にのっとった適正な手続きに従うことが必要です。同市では市議選直後で議長が不在。市側から異動の可否について事前に相談を受けた県が「議長がおらず人事はできない」と助言していたが、市長が強行した。
たとえ正しい人事であったとしても、また市長が何と主張したとしても、何をもって処分とするかは判例上確立していますし、その処分に説明書を交付しないのでは争いになります。争いになれば、人事担当課の職員に追加的な事務負荷がかかります。これは労務管理コストであり税金で賄われます。このコストを税金で負担してまで、こうした手法で行う必要のある人事であったのか問う必要があるでしょう。現行制度に沿った形で、自らの政治を実現する方法があるのではないでしょうか。
スポンサーサイト