評価項目ごとに研修
2010-02-09(Tue)
評価項目ごとに研修=国家公務員に新設−人事院
とれまがニュース 2010/02/06
人事評価は、「行動」「項目」「段階」の3つの選択プロセスで構成されます。
評価対象となる「行動」なくして、評価はありえません。ですから、管理者は部下の行動を常に観察する必要があります。ここでいう行動とは、部下が歩いているとか、コピーをとっているという一般的な行動を指しているのではなく、職務に関連した行動に限られます。職場での飲み会への参加などは、職務とは関係がありませんから、これは人事評価の対象となる行動ではありません。
行動が観察できたら、次にプロセスとして、その行動が人事評価のどの「評価項目」に該当するかの判断をします。記事の例をとれば、評価項目に「コミュニケーション」があります。この「コミュニケーション」とはどういう能力かということを定義します。そして、例えば、ある職員が会議の中でファシリテーター的な役割を果たした場合は、この評価項目で評価する、ということを決めておく必要があります。また、会議の参加者から意見を引き出し、効率的な会議の運営に寄与するなどといった評価項目ごとの「着眼点」を示しておくことが必要です。
人事評価の最後のプロセスとして、「段階」を決定します。これは、評価対象として選択された行動が、どの評価項目に該当するかが決定され、その評価項目においてどの程度のデキであったかのグレード(段階)を決めます。
以上のプロセスは、「フィギュアスケートの採点法」である「GOE(Grade of Execution)」に似ています。つまり、人事評価は「判定」なのです。人事評価で難しいのは、職務遂行に当たって、必ずしもすべての評価項目に該当する職務行動を、すべての職員がとるわけではない、ということです。
フィギュアスケートの場合、判定結果は数値化され、点数により競われ勝負が決まります。人事評価も同様です。人事評価がフィギュアスケートと異なるのは、フィギュアスケートの点数が絶対評価なのに対し、人事評価の場合は、査定に分布率を決めた時点で相対化される点にあります。
以上から人事評価における評価基準や相対化の方法などは、職員に公開するべきことが分かります。なぜなら、評価基準等を知ること無くして、職員は良き職務行動が執れないからです。
また、フィギュアスケートは勝負事ですから勝つことが一番大事です。しかし、人事評価の場合に大事なのは、高い査定を得てライバルに勝つことではありません。フィギュアスケートの浅田真央さんが演技を終えた後、点数が出るまで、コーチと演技のデキについて話し合っています。これは、人事評価でいうところのフィードバックです。演技の反省です。良かった点と悪かった点を確認し、悪かった点は原因を追究し、次回までに修正します。このフィードバックにより次ぎの演技で、より良いパフォーマンスを披露することができます。そして、人事評価において一番大事なのは、職員が上司からフィードバックを受けて、より良いパフォーマンスをすることなのです。
フィギュアスケートで勝つとメダルがもらえますが、人事評価の場合、高いパフォーマンスの職員は、何がもらえるでしょうか。それは、その仕事から得られる充実感や達成感、そして職業人としての成長感ではないでしょうか。これらのものは、いくら給料が高くても、いくら高い地位に就いたとしても、必ずしも得られるものではない貴重なものだと私は思います。
(参考)
野原茂著「改訂3版 人事評価着眼点シート」(経営書院)
とれまがニュース 2010/02/06
人事院は6日までに、今年度から国家公務員の新人事評価制度を導入したのを受け、「コミュニケーション」や「部下育成」など、評価項目ごとに特化した研修を新設する方向で検討に入った。職員の能力と士気を向上させるのが目的で、職員の自主参加が基本。各府省で1回目の評価結果が出そろう今秋以降に実施する予定だ。
人事評価は、「行動」「項目」「段階」の3つの選択プロセスで構成されます。
評価対象となる「行動」なくして、評価はありえません。ですから、管理者は部下の行動を常に観察する必要があります。ここでいう行動とは、部下が歩いているとか、コピーをとっているという一般的な行動を指しているのではなく、職務に関連した行動に限られます。職場での飲み会への参加などは、職務とは関係がありませんから、これは人事評価の対象となる行動ではありません。
行動が観察できたら、次にプロセスとして、その行動が人事評価のどの「評価項目」に該当するかの判断をします。記事の例をとれば、評価項目に「コミュニケーション」があります。この「コミュニケーション」とはどういう能力かということを定義します。そして、例えば、ある職員が会議の中でファシリテーター的な役割を果たした場合は、この評価項目で評価する、ということを決めておく必要があります。また、会議の参加者から意見を引き出し、効率的な会議の運営に寄与するなどといった評価項目ごとの「着眼点」を示しておくことが必要です。
人事評価の最後のプロセスとして、「段階」を決定します。これは、評価対象として選択された行動が、どの評価項目に該当するかが決定され、その評価項目においてどの程度のデキであったかのグレード(段階)を決めます。
以上のプロセスは、「フィギュアスケートの採点法」である「GOE(Grade of Execution)」に似ています。つまり、人事評価は「判定」なのです。人事評価で難しいのは、職務遂行に当たって、必ずしもすべての評価項目に該当する職務行動を、すべての職員がとるわけではない、ということです。
フィギュアスケートの場合、判定結果は数値化され、点数により競われ勝負が決まります。人事評価も同様です。人事評価がフィギュアスケートと異なるのは、フィギュアスケートの点数が絶対評価なのに対し、人事評価の場合は、査定に分布率を決めた時点で相対化される点にあります。
以上から人事評価における評価基準や相対化の方法などは、職員に公開するべきことが分かります。なぜなら、評価基準等を知ること無くして、職員は良き職務行動が執れないからです。
また、フィギュアスケートは勝負事ですから勝つことが一番大事です。しかし、人事評価の場合に大事なのは、高い査定を得てライバルに勝つことではありません。フィギュアスケートの浅田真央さんが演技を終えた後、点数が出るまで、コーチと演技のデキについて話し合っています。これは、人事評価でいうところのフィードバックです。演技の反省です。良かった点と悪かった点を確認し、悪かった点は原因を追究し、次回までに修正します。このフィードバックにより次ぎの演技で、より良いパフォーマンスを披露することができます。そして、人事評価において一番大事なのは、職員が上司からフィードバックを受けて、より良いパフォーマンスをすることなのです。
フィギュアスケートで勝つとメダルがもらえますが、人事評価の場合、高いパフォーマンスの職員は、何がもらえるでしょうか。それは、その仕事から得られる充実感や達成感、そして職業人としての成長感ではないでしょうか。これらのものは、いくら給料が高くても、いくら高い地位に就いたとしても、必ずしも得られるものではない貴重なものだと私は思います。
(参考)
野原茂著「改訂3版 人事評価着眼点シート」(経営書院)
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