行政体制と“政策市場”
2008-05-18(Sun)

写真は「イングランド 写真の日々」から「日没」
by ukphotography
この時期の日没は、冬のそれと雰囲気が違います by 曽野田欣也
私が参加させて頂いている勉強会「Crossover21」のメーリングリストで経済同友会の「マニフェスト時代の行政体制と“政策市場”の構築を」という提言を知りました。
この論文の中、「予算システム改革」では、
予算執行の評価では、政策の効果性とともに執行の効率性や費用対効果を重視し、予算消化を目的化することなく、執行における費用の減額や減員のインセンティブが働くものにする
と提言されています。政策の効果については、システム化が必要であるという認識は、行政内部でも一般に広く持たれています。その方策については踏み込んだ議論をさらに進め、実践へと移る時期にあるでしょう。
「"政策市場"の構築:政策産業の活性化と政策シンクタンクへの期待」では、
「政策を検証する」
ことの重要性が指摘されています。この点について私は、人事評価をする場合に、中長期的視点を導入するという意味でも重要であると考えています。政策人材の育成は、官民学の人材流動化の中で図られるべきだと考えますが、その育成サイクルの中に地方自治体職員も組み込んだものを構想してもらいたいものです。
ただ、ゼネラリスト志向の強い自治体人事の中で、政策人材を育て得るかどうかには、一抹の不安はあります。人事制度として行政専門職のキャリアパスとなり得る複線型人事制度に対する考え方は、拙論「複線型人事は新たなモチベーション創出への挑戦」(政策空間 2007/10)でも説いているところです。
シンクタンクの財政運営も含め、政策に携わる者が政策でメシを喰っていけること。そして、人材の流動化の中で政策人材を育成していく社会的な環境づくりが緊急の課題でしょう。
なお、同論文の注釈12には、シンクタンクの定義については、鈴木宗弘氏のシンクタンクの定義を参考にしている旨の記載がありますが、これは私のブログと相互リンクを貼って頂いている鈴木崇弘氏(「シンクタンク2005・日本」理事・事務局長及び中央大学大学院公共政策研究科客員教授)のことで誤植であると思います。
(参考)
経済同友会「マニフェスト時代の行政体制と“政策市場”の構築を」
「提言概要」
「提言本文」
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