政策を問う 元“異端の官僚”
2008-05-27(Tue)

「株主は国民。財務省なんて使用人にすぎない」
by 高橋洋一東洋大学教授(中川春佳撮影)
MSN産経ニュース
その言葉にしびれます by 曽野田欣也
政策を問う 元“異端の官僚”高橋洋一東洋大教授
MSN産経ニュース 2008/5/9
MSN産経ニュースに「さらば財務省」の著者、高橋洋一氏(現東洋大学教授)のインタビューがあります。その中で、同氏が官僚時代、政策に対する意見の違いから「異端の官僚」と呼ばれて、財務省を去ったのにも関わらず、
金融庁顧問になった
との問いに対して、同氏は、 「役に立てば、発信は諮問会議でも与党でも野党でも何でもいい。役所に戻るという道もあっていい。私の金融庁顧問就任は(官民人材交流の)“回転ドア”の走りになるかもしれない。官邸にいて辞めて、また金融庁、こういうのもあるという先例となる」
と答えています。同氏の言う「回転ドア」のような人事制度と、それを通って交流する人材を生かす環境が国には必要であろうと思います。
岡崎久彦氏(初代外務省情報調査局長、元サウジアラビア大使)が、著書「陸奥宗光」で「大器晩成」という諺の独特の解釈を披露しています。
大器晩成は、語源由来辞典によると「本当の大人物になる者は、世に出て大成するまでに時間がかかる」という意味で使われています。しかし、岡崎氏の解釈は、大器晩成型の人間は、最初からその成功を収める能力を身につけているが、その人の能力を生かす準備が社会の側でまだできておらず、時間とともに社会がその人物の器に追いつくのだ、というものです。
大器晩成の岡崎説を立証するためにも、高橋氏の指摘する回転ドアが必要なのかもしれません。そのための制度構築や運用においては、高橋氏が指摘されているように、社会の「役に立てば」という目的を忘れてはいけません。
行政における官民交流の必要性という問題意識を持たれた提言は、現財務省の高田英樹氏もされています。先般お邪魔した土曜会における講演でも、英国財務省における「多様性」というキーワードを用いてその趣旨の主張をされていらっしゃいました。
私の思い浮かべる「異端児」には尊敬するM先輩という方がいます。
M先輩は、私が人事考課の考課調整法について検討している際、私がM理論と呼ぶ考え方を提案して下さった浜松市学生寮の先輩で、高橋洋一氏の東大の後輩に当たります。M先輩も「異端児」ですが、はたしてM先輩は社会の役に立つのでしょうか。6月のフランスからの一時帰国を楽しみにしています。
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