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2020/09
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管理職は暇なほうがいい
 以前、私の上司で「管理職は暇なほうがいい」と言っていた課長がいました。
 これはそのとおりだと思います。なぜなら、管理職は、部下の仕事の進捗管理を含め、みんなが汗を流しながら働くのを見守るのが役割だからです。また、不測の事態に対応することもあります。そして、何より重要なのは、部下が決められたことを進めている一方で、上司は、その先のことを考えることです。

 岡本全勝さんも次のように述べられています。
 被災者支援の仕事をしていて、常に考え、悩んでいることがあります。それは、「今、私たちの仕事で欠けていることは、何だろうか」と「次に、必要な仕事は、何だろうか」ということです。
 (中略)
 責任者としての私が考えなければならないことは、「今できていないこと」の拾い上げです。そして、「次にすべきこと」の手配です。これは、難しいですね。あることの評価でなく、無いことの想像ですから。いろんな方面から情報を集め、今の仕事から少し距離を置いて、そして例えば2週間や1か月後の状態を想像しながら、考えるしかないです。構想力が問われます。課題がわかれば、次にはそのための職員配置を考え、工程表を立てることができます。それは、大まかな方向を示せば、参事官たちが考えてくれます。

(引用)
岡本全勝のページ(2011年5月15日)

 管理職の仕事は、抽象的かつ論理的な思考力が必要とされると私は思っています。管理職が事務的なことに忙しくては、これを使った本来の役割が果たせない。この役割を果たすため、という意味で、「管理職は暇なほうがいい」と言えると思います。
 しかし、これを文字通り「暇なほうがいい」と捉え、本当に何もしない管理職の人もいるらしいです。そんなに暇にしていて、一体何を考えているのかと思えば、課題があっても、それに「取り組まないでも済む」理由を考えているそうです。そして、議会になると、日ごろの定型業務に忙しい部下の尻を叩いて、議会資料を作らせ、文章の枝葉末節をチェックするそうです。それはそれで大事なポイントですが、管理職として大局を見極めていません。
 私は、そのような上司に巡り会ったことがないので幸運でした。
韓国ロケ地巡りと観光行政
 今年のゴールデン・ウィークには、韓国へ行って来ました。目的は、「猟奇的な彼女」のロケ地巡りです。もう10年も前の映画ですが、たまたま昨年末に観る機会があって、遅ればせながら韓流ブームに乗っかったわけです。
 学生時代、国際政治に興味のあった私は、岡崎久彦氏の「隣の国で考えたこと」などを読んで、韓国へは一度行ってみたいと思っていました。私が学生当時の韓国は国連にも加盟していなかったし、98年頃までは、韓国では日本の歌謡曲の輸入禁止など文化面での規制もされていました。歴史的な経緯もあり、韓国はこうした反日感情の強い国という印象のあった私にとって、日本における昨今の韓流ブームや日韓の文化的交流には、今昔の感があります。
 また、私が「猟奇的な彼女」を観てロケ地へ行ってみようと思うにまでいたったのは、映画の内容そのものの良さよりも、この映画に日本人の情緒との共通性を感じ、韓国に非常に親近感を持ったことがあげられます。

延世大学公共経営大学院 ソウルの新村にある延世大学の公共経営大学院へ行きました。ここは、「猟奇的な彼女」では、猟奇的な彼女が乙女らしく彼氏を待つ場所として使われましたが、最近では韓国ドラマ「アイリス」でも使われています。
 この校舎周辺は、広い大学の中でも趣のある美しい造りになっていて、映画等のロケで頻繁に使われるのもうなづけます。ロケに使われることが、この大学の知名度やブランド力の向上に、大いに貢献していることは言うまでもありません。これも大学の経営戦略なのでしょう。
 大学の造りも他の大学と同じでは、特にこの大学がロケに使われることもないでしょうし、使われたとしても、使われなかった大学との間の競争において、知名度を上げたりする差別的・戦略的価値はないと思います。また、日本でも韓国でも偏差値の高いことが、大学の売りであることは言うまでもありませんが、何事につけても個性がなく、他の大学と同じでは、学生も集まらないでしょう。やはり、競争するには他の相手との差別化を図ることが大事ですね。
 余談ですが、大学院では院生たちと政策について議論しました。日本の大学生とは違い、韓国の学生は英語がしゃべれます。政策をクリエートしていく、ということに非常に真摯かつ実直な姿勢で、こういう姿勢を持っているということは、そうでない学生との差別化ができている、または、この学生たちには付加価値がある、と私に思わせるものでした。こういう学生と一緒に磐田市役所でまちづくりに取り組みたいと思いました。この大学での経験は刺激的で、韓国滞在の4日間のうち2日を過ごしました。

猟奇松 「猟奇的な彼女」の象徴というと、「猟奇松」(緯度経度:37.201576,128.688751)と呼ばれる松です。ここへはソウルの清涼里駅から禮美という駅まで3時間かけて電車で行きました。ムグンファ号という全席指定の急行列車で行きます。禮美駅周辺は、辺鄙な田舎です。
 禮美駅から猟奇松までは、タクシーで往復しました。駅員さんが親切にタクシーを呼んでくれ、また猟奇松に着いたら1時間後にまた私をピックアップに来てくれるようにタクシーの運転手さんに通訳してくれました。タクシー代は、往復30,000ウォン(約2,400円)と少し高めでした。
 猟奇松は、撮影当時のまま健全に残っていましたが、その周りは観光用に整備されて、映画の趣はまったくなくなってしまっていて残念でした。また、禮美駅から猟奇松までの行き方も、まったく観光案内がありませんでした。10年も前の映画ですから当然でしょうが、この猟奇松周辺の整備は、数年前から始まったといいます。なんかタイミングが中途半端な感じがします。なお、駅員さんの話によると、中国からの観光客が多いということでした。

仁川第一教会横の階段 ロケ地巡りの中で、私が一番印象に残ったのは、仁川第一教会の横にある階段でした。ここへ行ってみたのは、自分の個人的な趣味だけです。レンガ造りというのに趣があり好きでした。この階段は、映画撮影のときのままの状態で残っています。
 また、近くの自由公園でマッカーサーの像を観たり、たまたま公園内で催されていたイベントを観ました。この公園の回りは歴史的なものも多く、たくさんの映画やドラマのロケで使われているそうです。

 私が今回ロケ地巡りをしようと思った理由の一つに、冬のソナタなどの韓流ブームの中でロケ地ツアーが脚光を浴びましたが、ロケ地巡りがそんなに良いものかと実体験したいと思ったからでした。ただ、ツアーに乗っかっていくのは性に合わないので、自分で調べてロケ地を回りました。
 正直な話、ロケ地ツアーというと、なんかオバサンたちが行くもの、という感じがして、最初はあまり前向きではありませんでした。しかし、われわれの住む地域の特徴を生かしたまちづくりを進めていくため、観光行政は一つの大事な戦術ではないかと思います。その点、秋田は、韓国ドラマ「アイリス」で成功した例として挙げられるでしょう。いくら観光資源に優れ、ロケ地に使われたとしても、一番大事なのは、ドラマや映画のデキです。ヒットしなければ、ロケ地に使われても意味がありません。映画やドラマがヒットするか否かの予想は立てにくいものですが、有名俳優が起用されたり、何らかの話題性があるものについては、興行成績も良いであろうことは容易に想像できます。また、たくさんの人に磐田市に観光に来てもらい、楽しくお金を使ってもらうためには、磐田市が単にロケに使われるというだけではダメで、その使われ方や使われるモノに対して、他の地域にはない差別化されたものであることが必要です。

(参考)
IRIS 秋田ロケ地を巡る旅マップ
中村知子「韓国における日本大衆文化統制についての法的考察」(立命館国際地域研究)
江口涼子「映画ロケ地の誘致の効果と官の関与のあり方の考察」(政策研究大学院大学)
鈴木晃志郎「メディア誘発型観光現象後の地域振興に向けた地元住民たちの取り組み」(観光科学研究。2010年3月)
御園謙吉「地方自治体の観光政策と観光統計」(阪南大学)
平成23年度第1回磐田市行革審
 今日(4月20日)は今年度初めての行革審が開かれました。
 磐田市では、先月「第2次磐田市行財政改革大綱」(いわゆる「行革大綱」)を作り、今日は行革審へ市長も出席してその報告と説明をしました。磐田市の行革審は、行革大綱とその実施計画の答申や実施計画の進行管理をしてもらうために条例で設置しています。委員は、15名の学識経験者や市民代表の皆さんです。

 昨年8月29日に委員の委嘱をして行革大綱の策定に係る諮問がされてから、今年の2月8日までの半年弱の間に、なんと10回もの審議会を開催しました。答申は2月17日に正副会長から市長へ手わたされ、その後19日間のパブコメや職員意見の募集のほか、磐田市行財政改革特別委員会の意見を踏まえ、先月3月に行革大綱は策定されました。行革に対する職員の意見は、自分たちの意識改革の大切をうったえるものが多くありました。私もそう思います。

 今回の大綱の特徴は、従来の経費削減に向けた取組みを継続しつつも、行政サービスの内容やその水準を高める「質的改革」や産業振興、地域活性化など「将来の地域発展につながる取組み」に重点を移し、「地産地消・地産外商の推進」、「シティーセールスの推進」などを新たな取組項目として加えました。

 今日の行革審では、答申後の3月11日におこった東日本大震災を踏まえた内容を実施計画の中に盛り込むべきだ、という意見を頂きました。平時の体制を考えるのは容易です。しかし、有事における組織体制と危機管理に対応できる人材の育成は急務といえます。防災訓練は毎年行っていますが、実際の被災地で活動することは行政職員にとって貴重な経験になると思います。そして、その経験をした職員が一人でも多く磐田市役所にいることが、これからの磐田市の安全と安心につながるのではないでしょうか。 また、委員の皆さんからは、積極的に情報発信せよ、とのご意見を頂きました。

 なお、磐田市行財政改革推進審議会は、原則として公開で行われています。行革に関心のある皆さんを会場でお待ちしています。

(参考)
磐田市行財政改革推進審議会条例
新磐田市行財政改革大綱の策定に関する答申書(PDF)
第2次磐田市行財政改革大綱(PDF)
辞令書の廃止
 磐田市では平成23年度から原則として辞令書を廃止します。
 職員の採用退職や懲戒処分など職員の身分に関わる発令は、従来どおり辞令書により発令しますが、通常の人事異動など発令主義によるものは原則として全面廃止します。
 辞令書は、その発令内容により、職員にとって「もらって嬉しい」ものと「嬉しくないもの」があります。命令である限り、職員の「嬉しい」「嬉しくない」という感情は関係ありません。しかし、一般的に言って、昇格発令はもらって嬉しい辞令書です。この昇格に係る辞令書も廃止しますが、モチベーション管理の面から昇格者に対しては市長から直接訓示を行います。
 また、辞令書の必要性は儀礼的にも認められるところではありますが、仕事始めや仕事収めの式を廃止したり、時間外に行うようにするなどの措置を取っている自治体が多くなりました。これは、市民サービスの維持を時間という機会費用の面から考えて行われていることだと思います。辞令書の廃止は、これと同じ視点から行うものです。

 辞令書の廃止については、長年考察してきました。本ブログでも以前のエントリーで言及したことがあります。辞令書の廃止を制度的に進めるにはどのようにしたらよいかといった実務は、公職研の月刊誌「地方自治職員研修」(2010年7月号。通巻604号)第100頁にある「人事実務」のコーナーに詳しく載っていますので参考にしてください。
役職加算の見直し
 磐田市では、平成23年度から期末勤勉手当に係る役職加算の見直しをします。
 「役職」に対する加算のはずが、「職務の級」に対する加算になっているという現実があります。これは、本当に職務給の原則に適う運用なのでしょうか。職能資格制に基づき考えれば答えはYESです。
 これまでの勤務成績から「係長」の役割を担う能力がある人材がいたとしても、「係長」のポストは限られていることから、係長としての能力を持つすべての職員に係長のポストを提供することは必ずしもできません。そこで、多くの組織では係長と同じ職務の級に「主査」等スタッフ職である役職を設け、その職員を係長レベルに処遇をするという措置を取っています。これが職能資格制という考え方であり、公務に特有のものではありません。
 本市においても、この考え方に基づき役職加算について運用して来ました。しかし、4月からはこれまでの役職加算率を2%引き下げこれを基準率とし、原則としてスタッフ職にこれを適用し、係長、課長、部長といったライン職にはこの基準率に2%を加算し、従来と同じ率となるよう措置することとしました。

 民間企業において導入されているとされ、平成2年に人事院により導入が勧告された役職加算ですが、今でも民間企業ではこのような制度があるのでしょうか。もし、民間でも存続しているとすれば、どのような運用がされているのでしょうか。
プロフィール

きんた

Author:きんた
Yahooブログ「ある地方公務員の隠れ家」(since 2007/2/24)から移転しました。

【自己紹介】
・1964年 静岡県浜松市生まれ

【趣旨】
まちづくりと公共政策について考えます。
本ブログは私的なものであり、私の所属する組織の見解を反映するものではありません。

【論文等】
政策空間 2007年10月
複線型人事は新たなモチベーション創出への挑戦
政策空間 2009年2月
資源ベース理論による自治体人事戦略の構築

【連絡先】
下のメールフォームからお願いします。

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